2024.01.29
深めるこの映画を観に来て、初めてアイヌ語を耳にする人も多いと思うんです。
だからそういう意味では正しい発音に気を付けて、いろいろとうるさく指導していますよ(笑)
たとえば、「カムイ」という言葉のアクセント。みんな最初の「カ」のところを高く発音しがちなんだけど、アイヌ語だと「ム」を高く発音するべきなんだよね。「コタン」とかもそう。大体みんな間違って覚えちゃっているんですよ。
だから、(映画製作をスタートしたときに)最初にみんなにお願いしたのは、出演者だけじゃなくて、監督を含め、スタッフのひとたちみんなに「アイヌ語の正しい発音」をしてほしいということ。だって、間違えた発音をスタッフが使ってしまうと、出演者にもついつい移ってしまいますからね。みんな普段から、ちゃんと発音しなきゃダメよ、っていうお願いを最初にしました。
杉元役の山﨑賢人さんは、アイヌ語を話すシーンがないので、私が絡む場面はあまりなかったんです。
アシㇼパ役の山田杏奈さんは、やっぱり俳優さんなだけあって、勘がいい。
あらかじめ私の方で録音したアイヌ語のセリフの音源を、山田さんに渡してあって、それを聞いて覚えてもらっているんです。山田さんは、最初からとてもうまく、きれいに発音をしてくれています。特に直すところもありませんでしたね。
ただ、今日の撮影もそうですが、映画の進行上、突然、(台本になかった)新しいセリフを入れるってこともあるので。いきなり言われて、覚えないといけないから、きっと大変だったと思いますよ。でもそこもやっぱり、役者さんなだけあって、きれいに発音してくれていました。
なかなかできないことですよ。アイヌ語に馴染みのなかった人が、音を聞いて、すぐ真似してできるかというとね、難しいと思う。