
どうすれば社会に居場所を作れるのか、答えは簡単に見つかりません。
札幌刑務所に服役していた2020年ごろのSさんは「刑務所が最も対応に困る受刑者」でした。
自らの要望を通そうと、刑務所の居室の天井を殴って壊し、建造物損壊容疑で服役中に書類送検されたこともありました。
ともに当事者研究に取り組んだ刑務官は、Sさんの再犯をどう受け止めているのか聞いてみました。
「うちで過ごしていたような生活の仕方ではない、いい意味での変化があったらいいなと思います。天井を壊すとか、そういうことにならない。人に何か話ができて不満が解消されて、そういう機会が減るとか。当事者研究をやったのだからそうなってほしいという自分のエゴのような気もするけれど、刑務所の過ごし方が変わればその人自身も変わる、ターニングポイントになるのではないかな」
また、元札幌刑務所長・長島信明さんは「刑務所の悪い癖で、まいた種はすぐに芽が出てほしい」と話します。
「ただやっぱり人それぞれなので、今日まいた種が嵐にあって紆余曲折あって、10年後にちょっとした芽が出る場合もあるし、一旦また枯れたりする場合もあるので。それは人それぞれなので。こちらとしては当面の際立った成果がないからといって、種をまく作業をやめるわけにはいかないという気持ちでいます」

北海道医療大学の向谷地生良特任教授は「こういう再犯などがありながらも、同じように関心を向けて、パイプを絶やさないでつながり続けているていうのはちゃんとこれから生きていくと思いますよね」と力をこめます・
更生には特効薬も即効薬もありません。
生きづらさの種類も大きさも人それぞれだからです。
刑務所と研究チームはこれからもひとり一人と向き合い続けます。
取材・文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部ぬまぬま
※掲載の内容は、HBC「今日ドキッ!」放送時(2026年4月6日)の情報に基づきます。
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