2026.05.07
暮らすクマは性別によって、暮らすエリアの広さに違いが出てきます。
オスは時には数十キロに及ぶ、非常に広い範囲を移動します。
これまでに、札幌・小樽・江別など、自治体をまたいで移動した事例も確認されています。

早稲田さんは、天気予報になぞらえていえば、広い範囲を移動する若いオスは「台風」のようなものだと言います。
台風は生活に影響を及ぼしますが、何か月も続くものではなく一過性の現象です。ある程度の予想はできますが、急に進路を変えることもよくあります。
移動中のオスのクマも、その地域に長く定着しているわけではなく、いわば「通りすがり」のクマ。クマは緑地や川沿いを移動することが多いので、専門家らはある程度ルートを予測できることもありますが、台風と同様に、クマの個性や周囲の状況によって、ときに大きく方向を変えます。

一方メスは、オスのように数十キロメートル移動するようなことはなく、たいていは5キロメートル四方くらいの、おおよそ同じエリアにとどまると言われています。
生まれ育った場所の近くで、自分も冬眠穴を作り、子どもを産み育てます。
そこで札幌市では、特に 住宅地近くに定着している「メスのクマ」 に対して、継続的に注意すべきだと考えています。
子どもは母グマの行動から生き方を学んでいくので、親子が繰り返し住宅地に来る状態を放置すると、その子どもたちも出没を繰り返すリスクがあります。
「メスのクマ」に注目するのは、対母グマだけでなく、次世代のクマたちへの対策も兼ねているのです。
2026年、気を付けるべきメスのクマはどのあたりにいるのか。
前回の記事でお伝えした根拠をもとに、いよいよ次回からの記事でお伝えします。
取材協力:札幌市環境共生担当課・坂田一人さん、清尾崇さん、NPO法人EnVision環境保全事務所・早稲田宏一さん、中村秀次さん
天気表現の監修協力:HBCウェザーセンター・近藤肇気象予報士
連載「クマさん、ここまでよ」
連携するまとめサイト「クマここ」では、「クマに出会ったら?」「出会わないためには?」など、専門家監修の基本の知恵や、道内のクマのニュースなどをお伝えしています。
文:Sitakke編集部IKU
ドキュメンタリー映画『劇場版 クマと民主主義』監督。2018年にHBCに入社し、報道記者として取材した島牧村をきっかけに、人にできるクマ対策はたくさんの選択肢があることを知る。「Sitakke」や「クマここ」の運営、放送やイベントなどを通じて取材・発信に取り組んでいる。
※掲載の内容は取材時(2026年3~4月)の情報に基づきます。
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