2026.05.07

暮らす

「クマ大量出没」の札幌、今年はどうなる?専門家らの分析から考える【クマ予報2026②】

クマの性別による違い

クマは性別によって、暮らすエリアの広さに違いが出てきます。

オスは時には数十キロに及ぶ、非常に広い範囲を移動します。
これまでに、札幌・小樽・江別など、自治体をまたいで移動した事例も確認されています。

札幌市が設置したカメラに映ったクマ(2023年・札幌市提供)。DNAにより小樽市から札幌市西区、南区などを移動していたとみられている

早稲田さんは、天気予報になぞらえていえば、広い範囲を移動する若いオスは「台風」のようなものだと言います。

台風は生活に影響を及ぼしますが、何か月も続くものではなく一過性の現象です。ある程度の予想はできますが、急に進路を変えることもよくあります。

移動中のオスのクマも、その地域に長く定着しているわけではなく、いわば「通りすがり」のクマ。クマは緑地や川沿いを移動することが多いので、専門家らはある程度ルートを予測できることもありますが、台風と同様に、クマの個性や周囲の状況によって、ときに大きく方向を変えます。

監視カメラに映った3頭子連れの母グマ(札幌市提供・2023年)

一方メスは、オスのように数十キロメートル移動するようなことはなく、たいていは5キロメートル四方くらいの、おおよそ同じエリアにとどまると言われています。
生まれ育った場所の近くで、自分も冬眠穴を作り、子どもを産み育てます。

そこで札幌市では、特に 住宅地近くに定着している「メスのクマ」 に対して、継続的に注意すべきだと考えています。

子どもは母グマの行動から生き方を学んでいくので、親子が繰り返し住宅地に来る状態を放置すると、その子どもたちも出没を繰り返すリスクがあります。
「メスのクマ」に注目するのは、対母グマだけでなく、次世代のクマたちへの対策も兼ねているのです。

2026年、気を付けるべきメスのクマはどのあたりにいるのか。
前回の記事でお伝えした根拠をもとに、いよいよ次回からの記事でお伝えします。

取材協力:札幌市環境共生担当課・坂田一人さん、清尾崇さん、NPO法人EnVision環境保全事務所・早稲田宏一さん、中村秀次さん

天気表現の監修協力:HBCウェザーセンター・近藤肇気象予報士

連載「クマさん、ここまでよ
連携するまとめサイト「クマここ」では、「クマに出会ったら?」「出会わないためには?」など、専門家監修の基本の知恵や、道内のクマのニュースなどをお伝えしています。

文:Sitakke編集部IKU
ドキュメンタリー映画『劇場版 クマと民主主義』監督。2018年にHBCに入社し、報道記者として取材した島牧村をきっかけに、人にできるクマ対策はたくさんの選択肢があることを知る。「Sitakke」や「クマここ」の運営、放送やイベントなどを通じて取材・発信に取り組んでいる。

※掲載の内容は取材時(2026年3~4月)の情報に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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