2026.05.07
暮らす
2021~24年の傾向を見ると、札幌市では5~8月にかけてクマの出没情報が増えています。
5~7月ごろはクマの繁殖期です。オスはメスを探して広い範囲を動き回ります。
クマのオスは子育てに参加しません。また、ずっとパートナーと寄り添うわけではありませ
ん。オスは自分の子どもを残すために、相手のメスが連れている子どもを殺してしまうことがあります。
なので子どもを連れた母グマは、オスを避けるうちに、住宅地に近づいてしまう場合があります。

また、親離れをしたばかりの若いオスも好奇心旺盛で、この時期に動き回るうちに住宅地に近づいてしまうことがあります。
主にこうした生態の理由から、「夏が多い」という出没傾向が続いていましたが、2024年は比較的、年間を通して出没が少ない年でした。

一方で2025年は、5~8月も、月20~30件と例年通り多い出没件数だったのに加えて、9~11月にかけて、秋の出没が急増しています。
出没件数が71件にのぼった9月には、人身事故も発生してしまいました。

札幌市西区の住宅地にある公園で、午後8時ごろ、犬の散歩をしていた人がクマと遭遇しました。男性が身を守ろうと右腕を前に出したところ、クマに引っかかれ、とっさに抵抗すると、クマは逃げていったといいます。
札幌市は出没情報が入るたびに、業務委託している「NPO法人EnVision環境保全事務所」の専門家らと一緒に現地調査をしています。
そのほかに生息数の調査のため山の中にも「ヘアトラップ」(木に体をこすりつけるクマの習性を利用して、クマの毛を採取するもの)を設置しています。
こうした調査で、現場に残されたクマのDNAが取れることがあります。
20年近くにわたって集めたそのデータが、実際の分析や対策に結びついている事例を、前回の記事でご紹介しました。
西区の人身事故の現場ではクマのフンが残されていて、DNAが検出できました。
そのデータを、過去に蓄積していたデータと照らし合わせると、意外なことがわかりました。
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