2023.10.08

深める

“男性どうしの両親”として。赤ちゃんを産み育てた半年間と、忘れられない命…ひとつの家族の選択肢

翌日、きみちゃんはちかさんが立ち会う中で、羅希ちゃんを死産しました。

担当の医師によると、「原因は不明」だといいます。「死産は1パーセントほどの確率で起こり、決して珍しいことではない」「原因がわからないことも多い」と話していました。

きみちゃんは、羅希ちゃんに手紙を書きました。

「羅希へ
ぼくたちの間にきてくれてありがとう。うまれてくるのをたくさんの人たちとともにまってたんだよ。また天国で会おうね。
大切で大好きな羅希ちゃん!!
忘れないよ!!ありがとう!!」

そんな2人は、インターネット上で、心無い言葉も浴びました。
「ただの変態カップルじゃん」
「申し訳ないけど気持ち悪いなぁ」

きみちゃんは、抱えてきた想いをひとつひとつ明かしてくれました。
「世間から、父親と母親っていう概念がどうとか、子どもがいじめられるとか、子どもがかわいそうって言われていた。そんなことない、そんなことさせない、そうじゃないっていうところを、ちかさんと見せていきたいと思っていた」

2021年の大みそか。自宅で羅希ちゃんを抱くきみちゃんとちかさん

男性どうしの両親として

ことしの初め、ちかさんからこんな連絡がありました。
「ご連絡遅くなりましたが、1月3日に長男の〇〇(本名)が産まれました」

実はきみちゃんが2度目の妊娠していることについて、わたしは去年の秋にちかさんから告げられていました。しかしきみちゃんの希望もあり、今回は取材を控え、静かに見守ることにしたのです。

1か月検診が終わった頃の2月末、わたしは赤ちゃんを含めた3人に会いに、2人の自宅に久しぶりにお邪魔しました。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

この記事のキーワードはこちら

SNSでシェアする

  • twitter
  • facebook
  • line

編集部ひと押し

あなたへおすすめ

エリアで記事を探す

FOLLOW US

  • twitter