2023.10.08

深める

“男性どうしの両親”として。赤ちゃんを産み育てた半年間と、忘れられない命…ひとつの家族の選択肢

『羅希もどんな姿になっていたかな』

みぃくんが産まれてからも、きみちゃんとちかさんにとって、羅希ちゃんは大切な第一子であることに変わりはありません。
2人の寝室にある羅希ちゃんの仏壇は、1年前よりもお菓子やおもちゃでいっぱいでした。

「みぃくんが産まれて、羅希ちゃんへの思いに変わったものはありますか?」
わたしの問いにきみちゃんは、少しうつむきながらもしっかりと答えてくれました。

「最初はやっぱり比較とか、みぃくんを見て『羅希もどんな姿になっていたかな』と考えることはあった。今も考えているけど、次は羅希にできなったかったことを、みぃくんにしてあげたいという思い」

それから半年。わたしは、札幌市内のカフェで3人と待ち合わせをしました。

久しぶりに会ったみぃくんはハイハイをして動き回り、見慣れないおもちゃに興味津々。
元気に成長していました。
こちらを見つめるみぃくんのクリクリとした瞳の可愛さに、思わずわたしも親戚のおばさんのようにシャッターを切ります。

2人は共働きのため、みぃくんは保育園に通っています。
そこでは、保護者を必ず「お父さん」「お母さん」などと呼ぶのではなく、どう呼ぶのがいいか聞かれたといいます。
きみちゃんは、「『私たちは名前で』とお願いしている」といいます。

「父親」「母親」という枠にとらわれず、男性どうしの両親として、自分たちらしい子育てをしていくつもりです。
ちかさんも、「そういう選択肢もあるんだと、考えが変わったりする人とかもいるだろう」と話します。

好きな人と一緒にいたい、家族をつくりたい。
その想いに「性別」という枠による制限はあってはならないし、願いを叶えようとする誰かの勇気を応援したい。

2人がずっと、抱いてきた思いです。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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