2023.10.08

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“男性どうしの両親”として。赤ちゃんを産み育てた半年間と、忘れられない命…ひとつの家族の選択肢

“こころが男性どうし”のふうふに宿った命

9月17日に行われた「さっぽろレインボープライド」。

性の多様性について多くの人に知ってもらい、差別の解消などにつなげようと、当事者や支援者らがパレードをしました。
ことしは去年より100人ほど多い、900人以上がパレードに参加しました。

会場に向かうのは、ちかさんです。虹色のカチューシャを頭につけて、ベビーカーを押しながらやって来ました。

2021年・病院のエコーでおなかの中の赤ちゃんを見つめるきみちゃん

2年前、きみちゃんのおなかには、ちかさんとの間に、新しい命が宿っていました。

「やっぱり自分が妊娠するというのを考えていなかった部分が強い」というきみちゃん。
性同一性障害と診断を受け、一度は、性別適合手術を受けることを決めていました。

乳腺は切除。戸籍の性別を男性に変えるため、子宮と卵巣もとる予定でしたが、ちかさんとの出会いが考えを変えます。

「子宮と卵巣をとってしまったら(自分たちの子どもを持つことは)可能性としてゼロになる」

戸籍は「女性」のまま、自分たちの子どもを産む道を選びました。

2021年・マタニティフォトの撮影

子どもの名前は、「羅希」と決めました。
「希望にあふれた子に育ち、人を希望に導けるようになってほしい」という想いを込めました。

でも、2021年12月27日。ちかさんから連絡がありました。
「こんにちは。今日の健診で赤ちゃんの心臓が止まってました。急遽ですが、今日から入院します」

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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