3月に入り、卒業式シーズンを迎えています。
先日、道内のある高校で「アート」な卒業式のサプライズが行われました。
舞台となったのは、帯広の隣町、音更町。
卒業生は98人。
3年間、ずっとマスク生活でした。
そんな生徒たちのために、〝思い出に残る卒業式にしてあげたい…〟。
立ち上がったのが、去年、赴任してきた重堂(じゅうどう)校長です。
「部活動の大会の自粛や、いろいろな教育活動において我慢を重ねてきた3年間を過ごした子どもたちに、何かしてあげられないか。地域の企業や地域の皆さんに相談をして今回のサプライズにたどりつきました」と話します。
卒業式前日に、教室に集合した生徒たち。
用意されたサプライズとは…
3、2、1…
迫力満点の黒板アートです。
3年間を過ごした思い出の校舎や、学校周辺に遊びに来るエゾリスやユキウサギが描かれています。
教室に集まった生徒たちからは「おお~!」と歓声ともに、拍手が沸き起こりました。
黒板アートを手掛けたのは、過去にSitakkeでも記事でご紹介したチョークアーティストの渡邉花絵さん。
高校生活の思い出をリサーチし、10時間以上かけて描きあげたといいます。
渡邉さん:「事前に先生達と打ち合わせをする中で、『(生徒たちは)大きな行事ができなかった代わりに、日々の何気ない日常を大切に出来た3年間だった』という言葉がすごく印象に残っていて。これまでの日常を思い出に残せるような作品にしたいと思って描きました」
生徒たちの感想は…
「外に行くとリスやウサギを見かけることがあった。黒板に描かれているひまわりも1年生のころに育てていたので、黒板の一つ一つが思い出でいっぱいです」
「人生の大きな門出にたくさんの人に祝ってもらえてうれしい」
教室には、いっぱいの笑顔が咲きました。
新型コロナウイルスの感染拡大により、イベントの中止が相次いでいた3年間の学生生活。
でも、こんなときだからこそ、日常の中にある大切なものに気づけたことがあったかもしれません。
あらためて、音更高校の卒業生のみなさん、そして全道の卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます!これからスタートする新しい日々も、笑顔がいっぱい咲きますように!
取材:HBCテレビ 「グッチーな!」
編集:ナベ子(Sitakke編集部)
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