
6月上旬の釧路市の会社の一室です。海底熟成するウイスキーのふたに、蜜蝋を付ける作業が行われていました。
「海底に沈めるので圧がかかり、海水がボトルの中に入り込む。それを防ぐために蜜蝋付け作業を行っている」 と大元社長は説明します。

大元社長は、泡盛などをつくる沖縄の酒造会社「久米仙酒造」に依頼して2024年、ライスウイスキー「小一(こいち)」を作りました。
コメが原料の泡盛の技術を生かし、新しいジャンルに挑戦したかったといいます。
「日本はお米の文化。ウイスキーは穀物で作ったらウイスキー。沖縄にすばらしい酒造があり、感銘を受けたのもあるが、新しい文化を作ろうとライスウイスキーを販売している」
ライスウイスキー「小一」は、蒸した米に泡盛でも使われる黒こうじ菌を植え付けて、米こうじにします。
さらに発酵では、ウイスキーの酵母に加え、泡盛の酵母も使用。豊かな香りの「もろみ」をつくり、蒸留・樽熟成などを経て完成です。
特徴は、バニラやキャラメルのような香り、そして、米特有の甘みとまろやかさです。

大元社長は、このウイスキーを作るときから「北海道の海で熟成させたい」と夢を膨らませていました。
こだわりは、アルコール度数にも。43度という数字は、釧路の緯度(北緯42度58分)にちなんだものです。
「沖縄でずっと寝かせるのではなく、北海道でさらに進化させることができないか…」
フジツボなどが付着することで、1本1本が唯一無二の瓶へと姿を変えていくのも、海底熟成の魅力です。
作業は、地元でクルーズ船を運航する「アイコム」が担当します。
アイコムの佐久間陽介CEOは「108本まとめてというのは初めて引き受けますので、非常に緊張しております」と心境を明かします。
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