
毎日この街で暮らしていてもその姿を見ることは極めて珍しく、運良く見かけたときは、思わず「おい、元気だったか?」と声をかけたくなるほど嬉しくなる。
そんな具合に、函館市電で最も古い営業車両「530号」とその車両が走る街の景色は、地元民にとっては少し特別なものだ。

1951(昭和26)年に製造・就役。茶色と深緑というツートンのボディカラーがトレードマークで、車内は主に木造。
年季の入った木板のフロアや扉、旧式の降車ブザーやアルミフレームのつり革、最盛期に混雑緩和のために用意された3つの乗車口など、車両全体が現行車両では見ることのできない要素ばかりで、まるで「走る市電博物館」のよう。
現在は繁忙期や冬の雪深い日、または貸切時のみに出動するため、前述したようにめったに見られない存在となった。

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