2026.05.20

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ゆらぎも、ほつれも、ひずみも、魅力に変える。試行錯誤の末に辿り着いた、きわめて珍しい製法

ゆらぎも、ほつれも、ひずみも、魅力に変わる。

竹田武司の無釉白磁(むゆうはくじ)

光沢のないマットな白。しかしそれはまっさらな白ではなく、よく見れば細かな黒点が所々に。触れてみると、どこか温度を感じるあたたかみがある。

七飯町の陶芸家・竹田武司さんの作品は、他に似たものが見当たらない唯一無二のもの。
独立してからまだ4年だが、その作品群は一目見ただけで「陶芸家の竹田武司が手がけたもの」と認識できるほど、独自性にあふれている。

竹田武司さん。現在45歳で、20代は教育の現場、30代は林業の現場で働いてきた。「もっと若いときに陶芸家として独立していたら、たぶん農業はやってなかったと思います。年を重ねていく上で、生きていく術を模索する中で半陶半農の道もあるかなと」。

彼が初めて陶芸に触れたのは大学時代だ。
北海道教育大学の美術コースで陶芸を専攻し、そこでのちに師匠となる恩師・小平征雄氏と出会う。

大学卒業後はしばらく陶芸から離れ、中国に渡って日本語講師を務め、日本に帰国してからは地元の七飯町で林業に従事。
2011年に小平氏と再会したのをきっかけに、氏がかつて七飯町の蒜沢で学生たちとつくった隠れ家のような登窯で作陶を再開。

無機質のように見えて、ランダムに面取りすることでじんわりと人間味を感じさせるシリーズ「角角(かくかく)」のフラワーベース。さし口にワンポイントで入れた銀のアクセントが効いている。

2022年には林業を退職し、陶芸をしながら祖父の代から続く農業を継ぎ「半農半陶」の暮らしをしている。

独立はしたものの、陶芸家としての最初の1年はまさに悪戦苦闘の連続だった。

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