2026.05.20

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ゆらぎも、ほつれも、ひずみも、魅力に変える。試行錯誤の末に辿り着いた、きわめて珍しい製法

試行錯誤の末、たどり着いた製法

「角角」シリーズのマグ。「もちろん綺麗に面取りもできるんですけど、そこは意図的に綺麗にやってないんです。そのゆらぎとか、ひずみも個性や魅力に感じてくれたら嬉しいです」。

「最初はオーソドックスな信楽焼風のものをつくってました。土もいろいろ使ったり、釉薬(ゆうやく)も使っていたんですが、出来上がったものがあまりに弱すぎて。独立したわけですから、当然売れるものをつくらなきゃならない。でも、とてもじゃないけどそこまでのレベルじゃなかったですね」

試行錯誤の末、彼が辿り着いたのは「ノー・グレイズ」という製法。
岐阜県でとれる磁土を使用し、釉薬を使わずに焼き締めた磁器は「無釉白磁(むゆうはくじ)」と呼び、白磁の世界ではきわめて珍しい。

ふちがゆるやかに曲がった丸皿のシリーズ「ゆらゆら」。成形する際、慎重に平板を押し上げながら曲げをつくり、皿にのせる素材をしっかりとやわらかく包み込む。同様のデザインで平皿のシリーズ「ひらひら」もあり。

丸皿「ゆらゆら」を上から。竹田さんの作品の取扱店は『はこだて工芸舎』(末広町)『Co mo feel』(札幌)『スロウリビング』(帯広)『乃の風リゾート』(洞爺湖町)等。オーダーメイドも応相談。

「この素材は、お酒で例えるなら決して大吟醸ではなく、不純物や雑味が入っているようなもの。細かな黒点は磁土に含まれる鉄粉で、本来ならマイナスにとられるかもしれませんが、この土の焼き上がりの白がやわらかくて好きなんです。とにかくその白と質感を求めていくうちに、次第に釉薬を使う理由がなくなったんです」

きわめてシンプルで、とめどなくミニマル。それでいて有機的であたたかい。竹田さんの作品世界は、写真では決して伝わらない。ぜひ、じかに手にとって触れてほしい。

フラワーベースのシリーズ「鎬(しのぎ)」。鎬とは器の表面に稜線文様を描く技法のこと。

「小付(こづけ)」各種。磁土に顔料を加え、ターコイズブルーやグレーに仕上げた。

【竹田武司】
Instagram @takeshi___.takeda

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Peeps hakodate vol,146 「特集 函館百名店~いいものだけを。~」より

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