2024.04.09
深める晴れて、「女性研究者」となった石井先生。
ただ、「女性研究者の会」の存在は当時、知りませんでした。
入会のきっかけは今から20年ほど前の石井先生が40代の頃。
民俗学の研究をしている女性研究者の先輩、岡田淳子先生からお手紙を受け取ったことでした。
石井先生の論文についての評論とともに、女性研究者の会へのお誘いの言葉があったのだといいます。
入会して最初に感じたのは、「話しやすさ」でした。
「女性の研究者ってなんだか“がんばってみられやすい”んですよ」
でも同じ女性同士だと、かえって「研究者とはこうあらなければいけない」というような固定観念がなかったのだとか。
また、違う大学の女性研究者が集まるからこそ、気軽に話せること、それぞれの場所でお互いがんばっているんだなと思えたことも、心強かったのだといいます。
一方で、当時は今よりももっと女性研究者が少なかった時代。
「働く女性の生きづらさ」は大きかったのではないでしょうか。
すると、「女性だから何かを閉ざされたことはない」と石井先生。
「ただ、私より上の世代にはあると思う」と話を続けます。
子どもを産んで休みをとること。
夫の転勤にはついていくのが当たり前の風潮だったこと。
キャリアに空白ができるのは、やはり、女性であることが圧倒的に多かった当時…。
そしてそれは今もまだ同じ現状が少なからず続いています。
そんなときに、石井先生は常に頭に浮かべる言葉があるといいます。
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