2024.03.22

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「ここから出してきれいにしてあげたい」地震の土砂崩れ現場で捜索 男性と同じ活躍と、女性だからできた「気づき」女性警察官が刻んだ覚悟

男性と同じように活躍…一方で女性だからできたこと

「体を動かす仕事がしたい」と警察官を志した山崎さん。

警察学校時代の女性隊員との出会いが、進む道を決めました。

それは機動隊での救助訓練の見学をしていたときのこと。

機動隊には「特務中隊」という、水の事故や山岳遭難の現場で活躍する人命救助のスペシャリストたちがいます。

その特務中隊に女性隊員が一人在籍していました。

訓練では、その女性隊員が中心となって活動する様子がとても印象的だったのだそうです。

「すごくかっこいいな、自分もそういった活動がしたいと憧れて特務中隊を目指しました」

山崎さんはその後、2021年に特務中隊に配属。

男性隊員と同じ厳しい訓練を積み重ねてきました。

山崎さんの今回の活動について、上司の小山内さんは「男性と同じように活躍していただいた」と評価します。

「山崎さんは、本当に精神的にも強いですし、体力もあります。男性隊員と比べると体格面は少し劣る部分もあるかもしれませんが、本人が努力していますし、実際に訓練や現場でも差がありません」と太鼓判をおします。

「むしろ知識や技術は、男性隊員より勝る部分もあり、頼もしい存在です」と教えてくれました。

一方で、女性隊員としての「気づき」もありました。

石川県で活動した8日間、山崎さんは男性隊員と同じ宿舎で寝泊まりし、着替えはテントを利用していました。

宿舎の一角に設置した縦型テントが女性更衣室に(珠洲市産業センター 2月)(道警提供)

こうした、救助の活動拠点もそうですが、被災地は、男性用・女性用というプライバシーの区別をつけることが改めて難しいと感じたのだといいます。

例えば、断水でトイレが使えなかったり、更衣室が崩れてしまっていて使えなかったり…。

山崎さん自身は更衣室として使えるようにテントを個別に持っていって対応しましたが、「避難所生活を送る上で、防犯対策も含め、プライベートな空間を作れるような災害資器材を用意しておくのも大切」と再確認できたといいます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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