2024.01.05

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父親はわからない、だけどこの子を産んで育てる…“孤立妊婦”を支える「切れ目のない支援」の今

手術が必要なほどがまんした乳腺炎

この日、ゆきさんが向かったのは、助産院。

ここで、産後ケアを受けています。

産後ケアとは、出産直後からおよそ6か月まで、母子の体調管理と育児の支援をするものです。

助産師の吉裕子(よし・ゆうこ)さんは、ゆきさんが出産する際、サポートを受けていた「リリア」にいたころからかかわっています。

ゆきさんが産後ケアを受けはじめたのは、赤ちゃんが生後4か月になるころにかかった「乳腺炎」がきっかけでした。

そのころたまたま、吉さんがゆきさんに会いに行ったときには、かなり悪化していたのだといいます。

ゆきさんは赤ちゃんと離れるのが怖くて、無理をしていました。

吉さんはそのときのゆきさんの様子について、「おっぱいがガリガリ、バンバンのひどい状態で『どうしてこんな、すごい痛かったでしょ、熱もあったでしょ』といったら『熱もあった』って」と話します。

吉さんのすすめで、ゆきさんはすぐに入院となりました。

乳腺炎は、切開手術が必要なほどの状態でした。

赤ちゃんは、ゆきさんが良くなるまで、里親に一時的に預けることに。

ゆきさんは「頭がおかしくなりそうだった」とそのときを振り返ります。

もしかしたら、赤ちゃんをとられてしまうんじゃないか。

一人で育てる自分の元に、帰ってきてくれないんじゃないか。

そんな思いと同時に、ゆきさん自身の経験と記憶にしみついていることも影響したといいます。

児童養護施設で育ってきたゆきさん。

「私が施設にいたとき、里親に引き取られたのに虐待する人とかで戻ってきたことがあったのも知っているからいいひとばかりじゃないことも知っていたから…」

自分のことよりもとにかく赤ちゃんが気になって仕方ありませんでした。

「自分の手術後の傷がどうのこうのより、ちゃんとミルク飲ませてもらってるかなとか、寝れなくて、ストレスで…」

そんな様子を、吉さんは「誰のせいでもないけど、自分で頑張っちゃうんだなと思った」といいます。

そして、「産後ケアを利用してみませんか?」とゆきさんに聞いたのだそうです。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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