2023.12.22

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「飛び込んでみると、発見ができる」大学生が“ヒグマ”について初めて考えて気づいたこと

駆除はかわいそう?駆除すればいい?

パネルディスカッション

11月3日のヒグマフェスは、HBCアナウンサーの佐藤彩さんによるクマの写真絵本の朗読や、「HAMBURGER BOYS」をゲストに迎えたシンポジウム、専門家らによるパネルディスカッションなどが行われ、大盛況でした。

クマに真剣に向き合い、活動している人は数多くいることを知りました。

札幌藻岩高校の生徒が5人で結成したグループ「困ったくま」の皆さんは、クマ対策の草刈りを自ら企画して取り組んだそうです。
ことし3月に高校を卒業し、今はそれぞれの進路に進んでいるにも関わらず、活動を継続しているといいます。

困ったくまの大友明さん

高校生の頃から社会の問題を見つめて、何もないところから企画を考え生み出したのだと思うと、私も何かできることはないか、考えたくなりました。

クイズでヒグマについて学べる「ヒグマ検定」にチャレンジできるブースもあり、多くの人が楽しみながら挑戦していました。

「ヒグマ検定」は、小学生でも挑戦できる「ここだけは!編」から、知識がある人でも難易度の高い「上級編」まで用意されており、楽しみながら学べるものになっていました。

身を守るために取るべき行動は何か、実際にあったクマとの問題はどんなものがあるのか、またクマ対策を先進的に行う地域から得られた教訓は何か…様々な知識が詰まっていました。

HBCのサイト「クマここ」で、お手持ちのスマートフォンやパソコンから挑戦できるので、「クマここ」、または「ヒグマ検定」で検索してみてください。

検定にチャレンジした人の中でも、「自信があったのに、全然クマについての知識がないことに気づいた」という人や、「クマ対策をこんなにやっているとは知らなかった」という人がいて、驚いた様子がとても印象的でした。

ヒグマフェス 右が酪農学園大学・佐藤喜和教授、左がHBC波多野裕太アナウンサー

ニュースで見かけるクマ問題ですが、解決するために何をすべきか考える機会は、これまであまりなかったことに気づきました。

クマをモチーフとしたキャラクターは身近にたくさん存在していて、かわいくデフォルメされがちだと感じています。
一方でニュースで見ると、クマは凶暴でひどく恐ろしい動物に感じる人が多いのではないでしょうか。

クマと人が出会ってしまったら非常に危険で、取り返しのつかない事態になりかねないのは確かです。
しかし、パネル展やヒグマフェスを通して、誰も管理しなくなった果樹や、食べもののごみの放置など、クマが出会ってしまう状況を人が作り出してしまっていることもあると知りました。

「かわいいいから駆除はかわいそうだ」「怖いからクマは駆除していけばいいんだ」
私は、どちらのとらえ方にも偏ってはいけないと感じています。

感情ひとつで対策を決めてしまうのではなく、正しい知識を身に着けて、現実的に考えることが大切なのではないでしょうか。

私はクマの現状と課題を知り、問題をより身近に感じることができました。

2つのイベントのテーマだった、「ヒトとヒグマの生きる道」。

印象的だったのは、私の想像以上に、クマ対策に取り組んでいる人がたくさんいることでした。
人が対策を続けることで、「ヒトとヒグマが生きる道」を見つけられるのではと気づきました。

これからゼミの研究の中で、児童会館などで子どもたちにヒグマについて伝え、考えてもらう機会を作りたいと考えています。
そのために、まずは北海道のヒグマの歴史や、行政が今どう考えて何に取り組んでいるのか、海外ではどうしているのかなど、いろいろな人から話を聞いて、知識を深めていくところから始めたいと思いました。
自分にできることを見つけ、対策に少しでも関わりたいと思います。

・「ヒグマフェス2023」の一部は道庁のYoutubeで公開されています。

連載「クマさん、ここまでよ
暮らしを守る知恵のほか、かわいいクマグッズなど番外編も。連携するまとめサイト「クマここ」では、「クマに出会ったら?」「出会わないためには?」など、専門家監修の基本の知恵や、道内のクマのニュースなどをお伝えしています。

文:学生ライター・あかり
編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の情報は取材時(2023年10月、11月)の情報に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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