荷物も重く、距離も長く、さらに暑い。体も早くも悲鳴をあげる中、中さんは挑戦をやめたいと思わないでしょうか。
そんな問いかけに、意外にも中さんは「いつも思う、毎朝。きょうやめよう、きょうやめようって」といいます。
でも…
「でも、きょうやめたら、きのうまでの7日間がもったいないでしょ」
過酷な挑戦を始めたのは、登山家の父の死がきっかけでした。
中さんはそのとき、「障害者になる前も、子供が小さいからとか、女だもんとか、あと経済的とか、言い訳ばっかりで、やりたいことを全然やらないで生きてきた。もう言い訳しないで、やりたいと思ったことを、まず準備しなきゃ」と思い至ったのだといいます。
そうして、いざ夢の準備を始めたら、今度は多くの人からの反対があったそう。
それでも、「やらないで後悔するのは、周りの人じゃなくて自分だから。周りの人なんてどうでもいい。言わせとけばいい」
毎回、過酷な挑戦の支えになっているのは、旅先での”出会い”だといいます。
「元気をもらったとか、すごいとか言ってくれるけど、私が皆さんに助けてもらっているし、皆さんに勇気とかやる気とか元気をもらっているから。がんばれ、皆がんばれ、がんばれ自分!」
スタートから11日目、396Kmを走り鹿児島県へ。
鹿児島県と言えばやはり桜島が有名だが、さつま揚げや鶏飯(けいはん)なども絶品。
実は中さん、各地を回る中でもうひとつ、大切な目的がありました。
■ゴールデンカムイで衣装も担当!「カッコよく生きるアイヌ」女性工芸家の思い【北海道・平取町】
■6人兄弟を一人で育てた母が、亡くなった。“やんちゃ坊主”だった3男が「この一瞬のために厳しく育ててくれた」と感じたとき