2023.11.24

ゆるむ

かわいすぎる!訓練中 赤ちゃんゾウ「タオ」の新風“ゾウがゾウらしく”にまた一歩【札幌・円山動物園】

「すくすく」という言葉が本当にぴったりの、円山動物園の赤ちゃんゾウ「タオ」。

11月19日で誕生から3か月を迎えました。

かわいさももちろん満点!のタオですが、全国のゾウ飼育を前進させる未来へ、今、新しい風を吹き込んでいます。

ちょこちょこと走り回る、赤ちゃんならではの姿に歓声があがります。

ボールを蹴りながらダッシュ!

体重は260キロと、産まれたときからもう2倍以上(11月10日計測時)。

誕生から3か月を迎えたメスの赤ちゃんゾウ「タオ」です。

タオの誕生はまさしく「奇跡の安産」でした。

「産まれた!!」あわてる暇もない出産

通常、本陣痛が始まって10時間近くかかることもめずらしくないゾウの出産。

出産当日の日中、前駆陣痛でしゃがみ込むパール(札幌市円山動物園提供)

お母さんゾウ「パール」に本陣痛がきたのは、その夜の9時過ぎのことでした。

出産に備え、動物園に泊まり込んでいた飼育員から、家で待機していた飼育員へ連絡が一斉にまわり、続々とミーティングルームに集合。

国内で初めて、「準間接飼育」での出産に臨んだパール。

飼育員がゾウのエリアに入らずに、画面越しで出産のときを待ちます。

さあここからまだまだ時間がかかると思った矢先、まだ本陣痛から1時間余りで…

「出てる!出てる!!」

ミーティングルームで一斉に全員が立ち上がります。

見守っていた飼育員が一斉に立ち上がる(札幌市円山動物園提供)

画面をのぞくと…パールが破水。

一瞬驚きに包まれたものの、「ここから2時間以内ってこと?」と飼育員たちに再び余裕が生まれました。

その次の瞬間…

午後10時39分 タオ誕生!破水からわずか1分(札幌市円山動物園提供)

「あっ産まれた!産まれた!!」

なんと、わずか1分でタオが誕生。
 
もはや飼育員があわてる暇もないほどの出産でした。

しかも、初産にも関わらず、パールはとても落ち着いていました。

産まれ落ちたわが子を見ると、まず、羊水で滑らないよう、砂をかけます。

そして、呼吸を促すように蹴り、立ち上がらせようとサポート。

タオ初めての授乳(札幌市円山動物園提供)

タオはわずか10分で立ち上がり、その後1時間で、初めての授乳までたどり着いたのです。

「奇跡」の安産…ゾウの赤ちゃん誕生!その瞬間に見えたスゴイ行動【札幌・円山動物園】

これは本当にすばらしい安産。

でも、一方でそれは「偶然ではない」と太鼓判を押すのが、円山動物園でたびたびゾウ飼育の研修を行ってきた、アメリカの専門家、アラン・ルークロフトさんです。

「パールがここで安心して暮らしていたからこその安産だった」と、円山動物園ににゾウたちがやってきてからの5年間の信頼関係について触れました。

また、旭山動物園の元園長で、長年ゾウの飼育を担当していた小菅正夫さんにとっても、北海道でのゾウの出産は「悲願」でした。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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