2023.11.16
深める最後に今日の献立を担当した、りっちゃん。
今はボランティア側になった、りっちゃんですが、実は高校生までは、ここで学習支援と食事提供を受けていた一人だったそうです。
当時から料理に興味があった、りっちゃん。
実際に料理をしてみたいと伝えてみたところ、食事提供をしてくれたお姉さんと一緒に料理をさせてもらえたことがありました。
その経験から、「あのお姉さんのようになりたい」と、自分が藤女子大学の隈元ゼミに入り、今度は支える側になってもっとおいしいご飯を作ろうと思ったそうです。
献立を考える際には、アレルギーのほか、栄養、おいしさ、予算など考えなければいけない点はたくさんあると教えてくれました。
予算は一食あたり300円。小学校低学年のこどもからボランティアの大人まで食べるので、間をとって小学校5〜6年生の栄養で作られています。
その条件の中で、子どもたちにも食べやすい味付けや献立を考えているそうです。
りっちゃんは、その中で一番大事にしていることを教えてくれました。
「栄養バランスももちろん大事にしているんですけど、一番はなるべく普段食べない食材や料理を食べてもらうことですね。今日の献立では、鮭のホイル焼きに生のレモンを使っていて、デザートに梨のゼリーを出しました。やっぱり手作りのゼリーって市販のものよりちょっと特別な感じがするので」とりっちゃんが言うと、横にいる2人も頷きます。
「旬の食べ物や、他府県の郷土料理を出すこともあるよね」と、こばめさんはレシピを見せてくれました。
なぜ、普段食べないものに重きをおいているのでしょうか。お尋ねしたところ、
「知っている言葉しか会話で使えないじゃないですか。料理も言葉と同じように知っているものしか作れないと思うんです。子どものうちから様々な味や食材に触れることが将来食べるものの選択肢をふやし、結果的に健康であったり人生の豊かさにつながる。そういう食育を大切にしたい」と3人は答えてくれました。
取材する前の私は、ここに対して、子どもたちがただ食事をとって解散するようなイメージを持っていました。
ただ、実際に取材してみると、食事だけのための場所ではなく、経験を育む場所だと気づきました。
最後に「みなさんどうしてそんなにレシピを考えられるんですか」と質問したところ、
「食べてきたものかな」と妙な納得感と重みのある言葉をさらっと言ってくれました。
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