2022.12.28
深める女性の幸せ=「結婚」でも、「家庭と仕事の二択」でもない。
連載「こう生きたっていい」は、いろいろな生き方をする女性を通して、「こう生きたっていいんだ」と思えるヒントを見つけるための連載です。
もう年の瀬。
ことし公開した女性たちのインタビュー記事の中から、来年への一歩を踏み出すきっかけになる一言を、お伝えします。
まずは、札幌で雑貨店「みんたる」を営む和田美香代(わだ・みかよ)さんの言葉。
「気に入って買ったものが、誰かが泣きながら作ったものだったら、嫌でしょう。
どうせ買うなら“搾取”されているものより、フェアトレードのものがいいと思わない?」
和田さんが営む「みんたる」には、世界各国のフェアトレード雑貨やチョコレートなどが並びます。
「フェアトレード」とは、生産者に適正な対価を支払って、持続可能な生産と生活を支える仕組みのこと。販売価格を安くするために、開発途上国で子どもが働かされるなどの“搾取”をなくすための取り組みです。
どうせ買うなら、泣きながら作られたものよりも、あたたかい想いが詰まったものを。
ものを通じて、世界各国の作り手の暮らしを想像してみませんか?
【インタビュー記事:「誰かが泣きながら作ったものは嫌」世界の雑貨がそろう、札幌の店が目指すもの】
続いては、新ひだか町出身で、札幌で日高昆布の専門店「ナナクラ昆布」を営む、木村真依子(きむら・まいこ)さんの言葉です。
いま生き方に迷っている女性へのメッセージを聞くと、こう話してくれました。
「私は、答えは自分の心の中にあって、それに従えるかが大事だと感じてきました。
まわりの環境が難しいとか、それぞれいろいろあると思うけれど、自分の心の中の答えに耳を傾けて、それを信じて進んでいってほしいなと思います」
昆布漁師である祖父が築いてきたものを絶やしたくないと、日高昆布の魅力発信を志した木村さん。起業して、コロナ禍でも事業を続けていくのは簡単なものではありませんが、自分のやりたいことを大切に進んでいます。
現在は、Sitakkeで連載「おしゃ出汁女子の昆布の引き出し」を担当し、昆布を活用したレシピを発信してくれています。
和食に限らず、ハンバーグにラーメンといったメニューも!試してみてくださいね。
【インタビュー記事:ひと手間で暮らしをおしゃれに、どんな料理もおいしく。昆布漁師の孫が広める“だし”の魅力】
連載「おしゃ出汁女子の昆布の引き出し」
最後に、知床のホテル「北こぶしリゾート」で働く、村上晴花(むらかみ・はるか)さんの言葉です。
今や北海道の未来を守るキーパーソンの一人と言っていい存在ですが、子ども時代は、自らの家庭環境を「ふつうじゃない」と感じ、悩んだ時期もありました。
「やりたいことが見つからないなら、何かしらアクションを起こすのがいいかなと思います。
散歩でもいいし、好きな芸能人と同じ本を読むでもいい。
何が起こるかわからないけれど、何かとりあえずやってみて、心が動くことが、一歩になると思うんです」
たくさんのきっかけによって、自分の進みたい道を見つけてきた晴花さん。
今は、世界遺産・知床のホテルで働き、宿泊業はもちろん、クマとの共存を考える取り組みを企画するなど、心が動く体験を提供する存在になっています。
【インタビュー記事:「ふつう」じゃなかった子ども時代から得たもの。世界遺産・知床の魅力を守るということ】
Sitakkeのスタートから1年半、さまざまな女性たちに出会ってきましたが、想像以上の「幸せ」の形の多様さに驚かされました。
「結婚したくない条件の男性と結婚して50年が経った」人、「旭川・江丹別町でヒツジと暮らす」人、「夫と500キロ以上離れた暮らしを選んだ」人…。
Sitakkeは2023年も、それぞれの「幸せ」の形を応援していきます。
連載「こう生きたっていい」
■名前も知らない人の子を身ごもって…孤立した妊婦の未来を変えた、ある出会い【後編】
■ 「生きやすいように生きた」男性の体に生まれて、女性になるまで。今、願うこと
■クマがサケマスを食べる…札幌の住宅地でも?知床の「楽しい解決策」から考える
記事一覧:【いろんな価値観や生き方に触れたい】