2026.10.18
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「農薬も亜硫酸塩も、入れるから悪い、ということではないんです。でもたまたま飲んで感動したワインにそういうものが多かった。私は『ナチュラルワイン』じゃなかったら造っていないので」
ブドウの木を見つめながら、石田さんは続けます。
「ブドウを動物たちに食べられちゃうのは良くないけど、でもやっぱりそれは自然の美しさ。しょうがないです。おいしいからしょうがない。動物は正直なのかなって、そう思います」
やはり、頭の中に常にある、あのフランスでの経験、自然と、その中でブドウ作りをする「美しさ」が石田さんを魅了します。
「経営者になりたいわけでもない、ワインで身を立てたいわけじゃない。『ナチュラルワインを造りたい』んです」

2021年から始めたブドウ畑の造成や栽培に加え2024年には自社の醸造施設が完成。ブドウ栽培から一貫したワイン造りが本格的にスタートしています。
現在、トロッコワイナリーが造っているのは、ブドウに付着する天然酵母だけを使って醸すワイン。
ペティアンと呼ばれる微発泡性のワインをはじめとして、2026年冬には待望の自社ブドウワインを白・赤それぞれ1樽ずつリリースする予定です。
これだけ時間と手間をかけて造ったワイン。できあがったときはさぞ感動したのではないかと思いきや…

「やっぱりこうできたな、とか、あれがこうなってよかったな・悪かったなって結構客観的な感じの感想です」とのこと。
ワインは生きて呼吸をしているので、常に変化するもの。
この先、どうなっていくのか、半年、1年、そして3年先まで…石田さんは自分が手がけたワインの姿を追っていきます。
「ソムリエは数ある中からお客さまの要望に合わせてワインを選ぶけど、ワインを造るって不特定多数の方に届いていくことじゃないですか。ソムリエとして話すのと、造る責任は違うと思っています」
だからこそ、科学的根拠も大切にしながらワイン造りに取り組んでいます。
「本当に難しいけど面白い。最後の最後まで分からない。すべて積み重ねです。1年に1回しか造れないので。だからノートにはめちゃくちゃ書いているんです。ファイル1冊分、何月何日に何度で何をしたとか。失敗した経験を活かすのはまた次の年です」
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