2026.10.09
深める
「一言でいうと、牛乳って脂肪のかたまりなんです。一般的にはあまり良いイメージを持たれないこともあるんですが、草だけを与える『グラスフェッド』にしていくと、オメガ3脂肪酸が豊富になって、後味がすごくスッキリした脂になるんですよ」
体にすーっと吸い込まれていくような不思議な感覚。
飲むと「体が求めている」と感じる牛乳になったといいます。
甘みや味の「輪郭」がしっかりあって、それでいて後味がスッと抜けていく。
配合飼料を減らせば減らすほど、その実感が強くなっていきました。
瑞々しい春の牧草を食べればすっきりした味わい、冬の干し草を食べればぎゅーっと凝縮された濃厚な味わい。
季節ごと、味にも個性が出てきました。

「特に厳しい冬の環境の中、牛たちは一晩中寒い中で仲間たちと群れ合ってお互いの体をすり寄せて温め合い、自分の体を守ろうとする。そうやって厳しい環境を生き抜いたものだけが得られる生命力が、牛乳のエネルギーとして凝縮されるんです。『自然の生命力』を感じられる牛乳になりました」
「ワイルドミルク」と名づけられたその牛乳は、ここだけの唯一無二の味になっていきました。
2011年、この牛乳は優れた道産加工品に認定される「北のハイグレード食品」にも選ばれています。
そして、そんな唯一の味を「最強」にするために思いついたのがソフトクリームでした。

「自分たちの乳製品を加工して直接届けるとなったとき、農協に卸すだけではなく販売先を増やさなければ生活していけない。そこで『北海道物産展』に出て、東京の友だちたちにも『北海道でがんばっているぞ!』と見せたいと思ったんです。そのための『最強アイテム』として作ったのがソフトクリームでした」
こだわったのは「とにかく牛乳しか感じられないソフトクリーム」を作ること。
甘みはどれくらいにするか、ソフトクリームを固めるために足すものはどうしようか…求める「ザ・牛乳ソフト」にするために牛乳以外の材料の正体はわからないように少しずつ調合して試行錯誤を重ねました。

「『日本で一番おいしい牛乳だ』と思っているので、食べたお客さんからは『今まで食べたことがない!』『後味がスッキリしていていくらでも食べられる』と言っていただけてうれしいです」
■ 21歳で「ステージIVの大腸がん」、そこから結婚・出産・子育て… 亡くなる10日前まで日記に綴った想いとは
パートナーメディア