お話を伺いながら、武田さんが目の前でニシンを捌き始めます。
驚いたのは、その鮮やかな手さばき。
写真を撮ろうと思っていたら、既に器に大根のツマや大葉が用意されているほどの速さ。
(店主:武田さん)
「小樽の旬は終わってしまっているから、今日のニシンは網走産ですけど、いい色でしょう?このピンク色が、地元色というか、鮮度が良い証拠なんだよね。ほら、皮もこうして……意外と簡単に剥けるでしょう?実は秋口にかけても脂が乗ってきて美味しいんだよね。」

スルスルと剥がれていく皮の下から、脂の乗った美しい身が現れます。
そしてここからが、たけの寿司さんの真骨頂。
(店主:武田さん)
「うちはもう、先に骨を抜いてるから。骨があると食べる時にガリガリ音がしちゃうけど、抜いてあればニシンの身の甘さだけを純粋に楽しめる。この『骨抜き』が、実は一番手間がかかって大変なんだけどね(笑)」

(店主:武田さん)
「小樽のニシンは1月から3月が旬で、その時期には熟成された数の子が入ってるので、脂の乗りというよりは身の歯ごたえが特徴だね。」

一口食べて驚くのが、その食感。
鮮度が良いため、身がシャキッとしていて弾力があります。
それでいて、噛みしめるほどに適度な脂がしっとりと溶け出し、口いっぱいに上品な甘みが広がります。
さっぱりとした後味と、とろけるような脂のバランス。
この絶妙なバランスは、まさに鮮度が命の「ニシンにしかない」特別な味わいです。
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