
この日、搬送チームがヘリで函館市に向かいました。地域で不足する小児科医の不在時間をできる限り少なくする「迎え搬送」と呼ばれる手法だ。
こども救命センターの和田宗一郎副センター長は「気道を観察し挿管チューブの位置の確認をして、よければそのままの長さで固定する」と治療を進めます。
通常、気道の腫れがひくのは3~4週間ほど。
長期の専門的な呼吸管理が必要なため、搬送依頼となったのです。
「チューブの位置はこれでいく。搬送だったらこれがちょうどいいと思う」
揺れるヘリの機内で万が一チューブが抜けてしまえば、腫れている気道に再び管を通すことは難しく、窒息してしまう恐れもあります。
札幌でスムーズに治療が開始できるよう、患者の様子や治療歴を引き継ぎます。
搬送中の患者への影響を少しでも少なくするため万全の準備を重ねました。
函館市を離陸するころには、日が傾き始めていました。

ですが、陸路なら4時間余りかかるところをヘリは40分で搬送することができます。
患者の男の子は、札幌で呼吸管理が続けられ、その後元気に退院していったそうです。
2025年度には、ほかの病院から50人近くの重症患者を受け入れました。
こうした搬送に取り組み続ける思いを和田先生に聞いてみると…
「誰も取りこぼさない。北海道内のどこの地域で暮らしている患者も、良い医療を受けてほしい、それだけです」

広い道内、どこで暮らしていても安心して暮らせるためには、やっぱり医療のネットワークは欠かせません。
高度な小児のための医療資源を全道網羅するのは、もう無理だという現実もあります。
逆転の発想で「一極集中」させて、全北海道も網羅できる病院が札幌にあること。
そして、地方の医師にとっても、重篤な子どもが運ばれてきたときに、手稲渓仁会病院のような存在があると、連携ができて負担が減るというメリットもあります。
高度な小児救急の症例などの情報が、地方の医療現場にフィードバックできるメリットもあります。
広い北海道、命の格差をなくすために現場の医師たちは奮闘しています。
連載「じぶんごとニュース」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2026年5月20日)の情報に基づきます。
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