
取材の最後、玉山さんからいま彼女が置かれている環境と羊毛を結ぶ数奇な縁を教えてもらった。それは七飯町における知られざる「緬羊の歴史」である。
「わたしがいま住んでいるこの家のあたりは、その昔『桔梗野』と呼ばれていた土地で、明治時代は羊毛を採取するための羊を放牧していた場所でもあるんです。聞いたところでは、その事業は10年ほどやって成果が出なかったので次第に道央に移っていったと。なんだか勝手に不思議な縁を感じてるんですよね(笑)」。
玉山さんの作品は『はこだて工芸舎』(末広町)『カフェ クラシック』(谷地頭町)他、オンラインショップ『北海道 スロウなお買い物』等で取り扱っている。

本編で玉山さんが語っているように、明治期のきわめて短期間に七飯町では緬羊の事業が試験的に行われていた。場所は現在の函館との境目にある蒜沢川付近から大川地区にかけて存在した七重官園の『桔梗野牧羊場』。
開拓史の事業報告書によれば、ここでは1874(明治7)年に東京の青山試験場か米国産の「サウスダン」という種類の羊を48頭移して事業を開始。その2年後にその牧羊場を開場し、広大な敷地に牝羊舎2棟、胤羊舎1棟の他、事務所・看守所・厩板蔵を設置して本格的に事業を展開した。
ここで育てた羊を札幌や根室官園に移したり、また、病気で処分せざるえなかった羊がいるなど困難な局面がありながらも、開園5年後には、187頭の羊から合計12,963斤の羊毛を収穫したと記録されている。
※「七飯町歴史館だより『ピチャリ』」第42号 より参照・一部引用。
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