2026.05.12

出かける

「親を殺す」と決めた少女は、どんな未来をたどるのか 打ちのめされ、力をくれる映画『未来』【映画感想】

②人間心理の明と暗

ミステリー作品としての魅力もありながら、フィクションを通して「現実」を描いているように感じました。

Ⓒ2026 映画「未来」製作委員会 Ⓒ湊かなえ/双葉社

映画ではさまざまな形の暴力が描かれますが、わかりやすく暴力をふるう悪と、救う善とに分かれているわけではありません。登場人物それぞれがあまりに人間らしいことに、よりリアルな残酷さがありました。

一人の人間の中に「被害者」と「加害者」の両面があり、「加害者」にも弱さがあり、抑圧されてきた「被害者」の感情が噴き出す瞬間があり…。
誰かを救う側であろうとするのに、自分自身が負った傷に揺り戻され、完ぺきではいられない…。

Ⓒ2026 映画「未来」製作委員会 Ⓒ湊かなえ/双葉社

被害者心理・加害者心理の複雑さや、暴力を受け入れてしまう恐ろしさ、声をあげる選択肢も持てない境遇…すべて現実にある課題が、ありありと描かれていました。

Ⓒ2026 映画「未来」製作委員会 Ⓒ湊かなえ/双葉社

苦しい現実が迫りながらも、その合間に楽しい、心から笑い合うシーンも多く描かれているのが印象的です。壊れたはずの心が動く瞬間があり、だからこそ切なく胸に迫ります。

単純な善悪や、誰か一人の物語では描けない、人と人が交わり合って変わっていく展開に、苦しさも、救いも見えてきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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