2026.05.12

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「親を殺す」と決めた少女は、どんな未来をたどるのか 打ちのめされ、力をくれる映画『未来』【映画感想】

①言葉を超えた演技が、新たな謎を生む

よくできたミステリー小説は、映画化できないものだと思っていました。
小説だから、文字だけの世界だからこそ仕掛けられる謎と解き明かし方が、ミステリー小説の魅力だと思うからです。

湊かなえさんの原作小説『未来』は、「手紙」をキーにして物語が進んでいきます。
まさしく文字の世界だからこそできる構成なので、これをどう映像化するのか、ハードルは高いように思うのですが…。

映画『未来』は、映像だからこそできるミステリー作品を作り上げたのだ、と感じました。

それを支えるのが、「言葉を超えた演技」の力です。

Ⓒ2026 映画「未来」製作委員会 Ⓒ湊かなえ/双葉社

過酷な状況に身を置かれる少女を演じる、山﨑七海さん(佐伯章子役)、野澤しおりさん(須山亜里沙役)。
セリフがないシーンでも、山﨑さんの瞳や表情、仕草ひとつから恐怖や不安が伝わります。野澤さんはとてもかわいらしい満面の笑みを見せるのに、同時に悲しさや強さや衝動をにじませます。

Ⓒ2026 映画「未来」製作委員会 Ⓒ湊かなえ/双葉社

章子の両親を演じた松坂桃李さん、北川景子さんの演技には息をのみます。
親としての愛情や優しさ、突然ふいにスイッチが切れたように覗く影。セリフに頼らない表現力に、それぞれが「秘密」を抱えていることが伝わってきます。

Ⓒ2026 映画「未来」製作委員会 Ⓒ湊かなえ/双葉社

そして、章子の通う学校の教師である真唯子を演じた、黒島結菜さん。
何かを見抜いているような強いまなざしや、章子の声にならないSOSに気づいて迷わず駆け出していく行動力はどこから来るのか、多くを語らない真唯子自身の謎にもひきつけられていきます。

章子に「未来のわたし」から手紙が来る、というのが、物語を通しての最も大きなミステリーなのですが、キャストたちの演技によって、「なぜこんな表情をしているのか/なぜこんな行動をとるのか」「どんな秘密を抱えているのか」「それがどう物語の展開に影響していくのか」と、登場人物それぞれに対して、どんどん新たな謎が生まれていきます。

何人もの人生が折り重なっていく、巧みなストーリー展開。
積み重ねられた疑問がつながり、ラストで謎が明かされるミステリー作品としてのおもしろさがあります。

「未来のわたし」の手紙の正体がわかったとき、その文章の内容を反芻すると、そこに隠されていた想いの強さも、一気に胸に迫ります。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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