2026.05.07
暮らすデータの蓄積が、対策に結びついた事例もあります。

2019年の夏、札幌市南区藤野・簾舞の住宅地に毎日のようにクマが現れました。住宅の庭のリンゴや、家庭菜園のトウモロコシなどを食べる姿が目撃されました。
このクマが捕獲された後、DNAを調べると、過去に複数の場所で取れたDNAと一致したといいます。その結果、4年前から山に近い場所などで少しずつ果樹の被害を出していて、次第に住宅地に近づいてきていたことがわかりました。
過去の出没現場のうち一つには、近くに誰も管理していない果樹、いわゆる「放棄果樹」がありました。
そこには、たくさんのクマの痕跡が残されていました。1頭ではなく、5~6頭分の痕跡が確認できたといいます。
人口が減るにつれ、増えた「放棄果樹」。毎年果実が実っていて、人は手入れにやってこない…クマにとっては、栄養が高くおいしいものを簡単に食べられる場所になっていたのです。

放棄果樹は、人が育てた果実のおいしさをクマが覚えるきっかけになり、住宅地への出没の原因になると考えられます。
しかし放棄果樹も個人の財産であり、行政が手を付けるにはハードルがあります。また対策すべき場所は多くあり、人手も必要です。
そこに環境市民団体「エコ・ネットワーク」が協力者に加わったことで、官民連携でのクマ対策ボランティア「クマボラ」がスタートしました。

放棄果樹を伐採し、運び出せるように枝をハサミなどで切って整理します。対策をした場所の出没情報は激減し、大きな効果が見えました。
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