2026.05.07

暮らす

クマ出没は「天気予報」のように予想できる 札幌市が約20年積み重ねてきたヒント【クマ予報2026①】

現場に残された「ヒント」

キーワードは「DNA」です。
新しいフンや毛が残っていると、そこからクマのDNAが採取できることがあります。

札幌市内の山林でのヘアトラップ調査。自動カメラで撮影(画像提供:札幌市)

また、出没現場のほかにも、生息数の調査のため山の中にも「ヘアトラップ」(木に体をこすりつけるクマの習性を利用して、クマの毛を採取するもの)を設置することもあり、ここでとれた毛も採取します。
そうして集めたものを北海道立総合研究機構に送って、DNAを分析します。

そのデータを地道にため続けて、約20年。
その数、500件近くにのぼります。

「500頭もクマがいるのかー!」ということではありません。
出没情報が積み重なると、「そんなにたくさんクマが増えているんだ」と感じてしまいますが、実はその大半は同じクマだったりします。

DNAの強みは、その答え合わせができること。
市や専門家らは現地調査の段階で、出没場所や見た目の特徴から、「こことここは同じクマかも」と予想を立てますが、蓄積しているDNAと照らし合わせることで、それがより確実なものになっていくんです。

顔の周りが白いヒグマ(2018年・島牧村)。ヒグマでも体に白い模様が入っていたりと、個体ごとに見た目の特徴があることもある

札幌市でここ20年ほどでとれたDNAは、件数だと約500件ですが、クマごとに仕分けると169個体になります。この数字の差からは、札幌近郊の山に住むすべてのクマが住宅地に近づいているわけではなく、同じクマによるものが多いということがわかります。

捕獲されたクマや交通事故で死亡したクマからもDNAを取って、過去の出没現場などのDNAと照合します。その結果、自然に死亡したクマも含めて、169頭のうち少なくとも50頭以上が死亡しているとみられています。

そしてDNAが山の中でしか取れていないクマもいるので、すべてが住宅地に出没しているクマではありません。また、札幌で痕跡を残したものの通り過ぎ、ほかの地域に移動しているクマもいます。

こうしてデータを積み重ねると、札幌の住宅地に出没しているクマは一部であることがわかり、どこでどんな対策が必要なのか、絞り込んでいくことができます。

これが次の分析や対策に、非常に役に立つんです。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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