2024.05.12

育む

「いのちがないているよ」5歳が初めて向き合った“死”…「こわい」と棺を見られなかったこうちゃんが、曽祖母にお手紙を書いた日【室谷香菜子のいっくじ日記#3】

「だから、おおきいおばあちゃんありがとう」

6年前、こうちゃんの誕生をとても喜んでくれた祖母。

里帰り出産で、私が札幌へ戻るまでの間、毎日息子の変化に目を細めていました。

「頭上げでら!もう少しで寝がえりする~!」
「足の力つえ(強い)子だよ~」

手をたたいて、満面の笑みで見つめていました。

節目に送る息子のアルバムは、祖母の部屋の手の届く場所に必ずありました。

私が札幌に就職したときには悲しませてしまったけれど、帰省するたびに大きくなっているひ孫を見て、「元気になるじゃ~」と言ってくれるのは本当にうれしかった…。

そして、ほんの少しはばあちゃん孝行ができたかな?と思っています。

祖母の葬儀の司会は私がしました。

こうちゃんは「ママ、かっこいいね~!」と、マイクを持ってしゃべる私の姿を初めて見て驚いていました。

ばあちゃん。

こうちゃんは来年からランドセルを背負って小学校に行くよ。

自転車の補助輪を外してスイスイ乗れるようになるのはいつかなぁ?

一人でおつかいにはまだ行きたくないんだって、男の子は甘えん坊だね。

…まだまだ話したいことはたくさんあります。

あれから数か月が経ちましたが、こうちゃんはたまに思い出したように祖母の話をするときがあります。

「おおきいおばあちゃんから産まれたのが青森のじぃじで、青森のばぁばから産まれたのはママ、ママから産まれたのはこうちゃん!」

「だから、おおきいおばあちゃん、ありがとうだね~」

今年の夏には、祖母の趣味であった裏庭の畑でできた夏野菜を持って、こうちゃんとお墓参りに行こうと思います。

ここで一句!

『お空へと きっと届くよ またねの字』

****

文|HBCアナウンサー 室谷香菜子
青森県出身。2009年HBC入社。HBCラジオ「アフタービート」、「美香と香菜子のおさんぽ土曜日」などを担当。2018年第1子(男の子)を出産。趣味は寝かしつけ後のドラマ鑑賞と、美味しいお酒。息子(こうちゃん)との日常はInstagramでも発信中。

編集:Sitakke編集部あい

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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