2024.05.12

育む

「いのちがないているよ」5歳が初めて向き合った“死”…「こわい」と棺を見られなかったこうちゃんが、曽祖母にお手紙を書いた日【室谷香菜子のいっくじ日記#3】

「おおきいおばあちゃんにお手紙書く!」

棺に収まった祖母は、思っていたよりもずっと穏やかな顔で眠っていました。

「こうちゃん、おおきいおばあちゃんにご挨拶する?」と聞くと、

「こわい、見ない」と頑な。

斎場ではずっと私の横にくっつき、離れない時間が続きましたが、突然、「おおきいおばあちゃんにお手紙書く!」と言いました。

まだ平仮名を読むことはできても、上手に書くことはできないので、「書きたいこと、ママが書くよ。なんて書く?」と聞くと…

おおきいおばあちゃんへ
  ひこうきにのってきたよ かなしかったよ
  いのちがないているよ

そして、「最後はこうちゃんが書く!」と言って、 『またね』 と大きく書きました。

「お手紙、おおきいおばあちゃんのおてての上に置いたよ。優しいお顔で寝てるよ、大丈夫、見てごらん」というと、息子は棺をゆっくりと覗きました。

そして、「あれ、怖くない」。

しばらくの間、祖母の顔を見つめていました。

私が祖母の頬に手で触れると、それを真似し、「つめたい。すっごくつめたいよ」と驚きの表情。

手に残った感触や祖母の穏やかな表情は、息子の心にしっかりと刻まれたと思います。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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