2024.05.12
育む棺に収まった祖母は、思っていたよりもずっと穏やかな顔で眠っていました。
「こうちゃん、おおきいおばあちゃんにご挨拶する?」と聞くと、
「こわい、見ない」と頑な。
斎場ではずっと私の横にくっつき、離れない時間が続きましたが、突然、「おおきいおばあちゃんにお手紙書く!」と言いました。
まだ平仮名を読むことはできても、上手に書くことはできないので、「書きたいこと、ママが書くよ。なんて書く?」と聞くと…
おおきいおばあちゃんへ
ひこうきにのってきたよ かなしかったよ
いのちがないているよ
そして、「最後はこうちゃんが書く!」と言って、 『またね』 と大きく書きました。
「お手紙、おおきいおばあちゃんのおてての上に置いたよ。優しいお顔で寝てるよ、大丈夫、見てごらん」というと、息子は棺をゆっくりと覗きました。
そして、「あれ、怖くない」。
しばらくの間、祖母の顔を見つめていました。
私が祖母の頬に手で触れると、それを真似し、「つめたい。すっごくつめたいよ」と驚きの表情。
手に残った感触や祖母の穏やかな表情は、息子の心にしっかりと刻まれたと思います。