2024.04.30
暮らす今回は、元海上自衛隊のイラストレーターが描くマンガを通して、「“女性視点”での防災」を考えます。
( 前編・後編のうち後編)
北海道在住のイラストレーター・ヤマモトクミコさん。
海上自衛隊に10年ほど勤めてから、出産を経て、イラストレーターになりました。
入隊1年目に東日本大震災の支援に従事。
護衛艦に乗り、炊き出し、救助者の支援、燃料や真水の提供、救助者や遺体の捜索など様々な支援にあたりました。
現場にいた女性隊員はわずか。「だからこそ“女性視点”での支援がとても大切だと感じた」といいます。
災害時、命と「こころ」を守るためにどんな準備が必要なのでしょうか。
漫画で防災の知恵を発信しているヤマモトさんに、防災用品を選ぶコツを聞きました。
(この記事は、TBS NES DIG 『DIG防災』の内容を一部編集して再配信しています)
ヤマモトさんによると、防災用品を準備するにあたって、大切なのは「災害時の状況を想定」することだといいます。
やみくもに防災用品を用意するのではなく、できるだけ“リアル”に、災害時の状況を想定した上で、必要なものを揃えることがポイントです。
・地震や台風といった災害の種類
・在宅中か、出先か
・家族や自分はどんな状況か
・電気・ガス・水道・スマートフォンはどこまで使えるか
など、実際に起こりそうな状況を想定しておくことで、何を準備すべきかが見えてきます。
「災害の種類」の想定には、自分が住んでいる地域のハザードマップがヒントになります。ハザードマップは、各自治体等のホームページで確認することができます。
今回はヤマモトさん自身の例として、以下の状況を想定しました。
【災害の種類】
震度5弱の地震、津波のおそれはない地域
【在宅中か、出先か】
在宅(ヤマモトさんは在宅ワーク中心のため)
【家族や自分の状況】
夫は外出中、子ども2人(1歳、4歳)は在宅。
自宅から子ども2人を連れて避難。避難所で夫と合流する
【電気・ガス・水道・スマートフォン】
電気・ガスは使用不可、水道とスマートフォンは使用可能
この想定に基づくと、ヤマモトさんは子ども1人を抱っこし、もう1人の手をつないで避難することになります。すると、その状態でも持てるサイズ・重さの防災リュックを備えるべきだと考えられます。
■【前編】災害時に、生理が来たら? 妊娠中や、小さな子どもがいるときに備えておきたいことは|元自衛隊員が描く“こころの防災”#番外編①
パートナーメディア