2024.04.07

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アヒージョの食材はイカの塩辛!「最初は笑われたけど…」100年の老舗がバルも経営 革新を続けるワケ【北海道・函館市】

「誰が来るんだ?」最初は笑われた

今回のインタビューのきっかけでもある、塩辛直売所とバル。

こうした老舗の新たな挑戦はどのような経緯で始まったのでしょうか?

最初のきっかけは「コロナ禍」でした。

玄関で直売所をやっていましたが、「密になる」ということで、今のバルがあるスペースで提供を始めたのだといいます。

すると、試食ができるということで、だんだんとビールや日本酒を持ち込むお客さんが出てきました。

それが、バルを始めようというヒントに!

2023年の「バル街」という飲み歩きのイベントを機に一念発起。

元々、ほかのお店で出してもらっていた「塩辛のアヒージョ」を、自らお酒と一緒に出して、塩辛の宣伝をしようと考えました。

「いざ、バル街に小田島水産で出るよって言ったら、周りから笑われましたね。『なんで水産会社が?』『誰が来るんだ、そもそもこんな外れに』って」と3代目の隆さんは振り返ります。

でも結果は大盛況!

300人近くの人が来てくれたのだといいます。

店内にあるピアノを使って、「せっかくなら演奏会をしてもらおうよ」なんてことに。

「でも店内は広くないので…、ギターの人は事務所で弾いてもらって、ベースは玄関で、みたいなバラバラの配置でやってもらいました」

斬新すぎる配置に思わず笑ってしまいましたが、そんな面白さがウケたそうです。

演奏会で使われたピアノは今も店内に設置されています。

たまにピアニストのお客さんが来て、弾いてくれる楽しみもあるそうです。

4代目の章喜さんは「結局はお客さまがお酒を飲みたいっていう需要があった。そこだったんですよね」と話します。

「結局 キッカケって全部お客さんが作ってくれてる んですよ。そこが一番大事だと思っています」

「お客さん」がいたからこそ、続けた挑戦と信じて守り抜く伝統があります。

イカの不漁で塩辛をイワシに?空きスペースでミニ水族館?100年の老舗が向き合う伝統とあふれるアイデア 根底にあるのはいつも「お客さん」【北海道・函館市】に続く

文:学生ライター・名畑公晴
編集:Sitakke編集部あい

※※掲載の内容は取材時(2024年1月)の情報に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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