この映画の監督を務めた久保茂昭さんも、撮影前にウポポイを訪れました。
監督として作品のクオリティを高めるため、ウポポイには二度三度と足を運んだそうです。
初めて訪れたときの印象を「その丁寧な作りと迎え入れてくれる空気感に圧倒されました。アイヌの歴史、生活、思想などは勉強していたつもりでしたが、それらを直に深くに感じることができる展示に夢中になってしまい、時間を忘れてしまいました」と振り返ります。
博物館エリアの展示場を視察した久保監督は「アイヌの言葉『イランカラㇷ゚テ』で迎え入れられたとき、なぜか癒されました。生活、思想など本物の展示や映像などが印象的で、そこにある著名なアイヌの方々の言葉は、心に刺さりました」といいます。
さらに、「工房では、アットゥシ(アイヌの伝統的な衣服)を手掛ける、工芸家さんの丁寧な作業が印象に残っています。質問や会話に、優しく接してくれて嬉しかったですね。一番感動したのは伝統芸能の上演を直に見られたことですね。アイヌ文化を歌や口承文芸で伝える、その想いを直に見られるライブ感は感動しました」と続けます。
映画の中では、アイヌの伝統的な料理のシーンも登場します。山﨑賢人さん演じる杉元佐一とアシㇼパが鍋を囲み、「オハウ」と呼ばれるアイヌ料理の汁物を食べます。山田さんは、撮影で使用したオハウを「とても美味しかったので、おかわりしてしまいました」というほど気に入ったようです。
ウポポイには、オハウをはじめ様々なアイヌの伝統料理や、その調理方法や食材を用いた創作料理を提供するレストランなどがあります。
アイヌの歴史と文化を学んだ後に、これらの料理でお腹を満たすのも良いかも知れません。