2024.01.04
暮らす専門家や市民らでつくる「ヒグマの会」の提案のひとつに、「専門人材」を地域ごとに配置することがあります。
野生動物の知識はもちろん、地域の事情に合わせた対策ができるよう、地域の人とのコミュニケーションがとれる人材が求められます。
地元のハンターとも連携して対応にあたれるよう、ハンターとしての技能も必要です。
道内では、占冠村が、役場職員として「野生動物専門員」を雇用しています。
先進的な取り組みで、専門員は地域住民やハンターからも信頼を寄せられています。
一方、一人だけですべてを担えるわけではありませんし、クマは自治体の境界線も関係なく広範囲を移動するので、近隣市町村との連携も必要です。
そこで「ヒグマの会」は、いくつかの市町村を含む地域ごとに、数名の専門人材を置くことを提案しています。
地域に根づいた対策をしながらも、ほかの地域のチームとも広い視野で連携して、計画的にクマ対策を進めていくのです。
そのために国や道がリーダーシップをとり、「人」や「予算」を配置していくことが、強く求められているのです。
北海道の人とクマとの課題は、100年以上前から続いています。
にもかかわらず、なぜ防げなかったのか…2023年も痛ましい事故が起きました。
2024年は、クマとどう距離を保つのか。
被害を防げるかは、「人」側の行動にかかっています。
連載「クマさん、ここまでよ」
暮らしを守る知恵のほか、かわいいクマグッズなど番外編も。連携するまとめサイト「クマここ」では、「クマに出会ったら?」「出会わないためには?」など、専門家監修の基本の知恵や、道内のクマのニュースなどをお伝えしています。
※掲載の内容は取材時(2023年)の情報に基づきます。
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