2024.01.04
暮らす市民だけでなく、行政の動きにも変化があった年でした。
札幌市では今年度から、「さっぽろヒグマ基本計画」の内容を変更。
くわしくは5月の記事でまとめていますが、人とクマが「すみ分け」をして、いい距離を保つことを目標に掲げています。
北海道は2023年度から、「人里出没抑制等のための春期管理捕獲」を開始。
ここ数年、人を見ても逃げないクマの目撃が増えたことなどを踏まえ、ハンターが山に入りクマを追う機会を増やすことで、クマに人をこわいと学ぶ機会を作るねらいです。
また、ハンターの高齢化や減少が進んでいるため、クマに立ち向かえるハンターを育成することも目的にしています。
しかし、実際に捕獲した頭数はほとんどの地域で0~1頭という結果でした。
以前からハンターの育成に力を入れてきた後志の島牧村だけが9頭という結果で、一度途絶えたハンターの技術の伝承は、すぐには取り戻せないことが伺えます。
そして11月までに、クマによる人的被害が全国でも過去最多に。
鈴木知事が、東北の知事らと一緒に環境省などを訪れ、クマ対策への支援を要請しました。
11月から始まった定例道議会で提出された約108億円の補正予算案には、「春期管理捕獲」に向けたハンターの報酬への補助費や、育成のための研修費など、1500万円が盛りこまれました。
また道は、クマの知識を広めることで被害を減らしたいと、普及啓発にも力を入れます。
HBCと「ヒグマフェス2023」などイベントを実施し、クイズで学べる「ヒグマ検定」を『クマここ』内に設置しました。
行政も対策の必要性を感じていることが伺えますが、クマの専門家らが「待ったなし」と求めている動きがあります。
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