2023.11.28

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息子の命を奪われても、厳罰は求めない。ただ“当たり前の権利”を…「知りたい」と願った9年間

「そこには被害者がいる」

札幌市東区の、司法関連施設が立ち並ぶエリア。
有罪の場合は、刑務所に収容されます。
一方、不起訴や無罪となり、治療が必要と判断された場合は、医療機関に入院します。

大学病院が運営する全国初の医療機関、「北海道大学病院附属司法精神医療センター」。
賀古勇輝(かこ・ゆうき)センター長によると、病室は全部で20床プラス予備が3床。今は21人が入っています。

「患者さんが入ってきますと、急性期のエリアがあって、回復期・社会復帰期とあって、退院という形になります」と説明していました。

治療を受けるのは、殺人や傷害、放火などの重大事件を起こした人たちです。
治療の内容、退院のタイミングは、最終的に裁判所が決めます。

賀古センター長は、「心神喪失・耗弱で医療観察法に回ってくるのか、それとも責任能力があるということで、裁かれて刑務所に行くのか。どちらに行くか本当に紙一重のような、グレーゾーンのところにいらっしゃる方もいます。そういった方々をケアするときに、実際に起こした事件は大きかったり、そこには被害者がいたりします」と話します。

「絶対におかしいと思った」

札幌市の、木村邦弘さん・78歳。

長男の弘宣さんを殺した男性は、刑事責任能力がないと判断され、不起訴処分になりました。

「不起訴になったから、今度は裁判ではなく、医療観察の方の処遇に移って、そこから先は一切情報については被害者の方にお話しすることはできません、みたいな。それは絶対おかしいと思った」

朝の日課は、弘宣さんに向き合うこと。
「何をするとか、あったこととか、最近ならパークゴルフいってこうだったよとか、一応報告はしている」

弘宣さん

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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