コロナ禍で外出を控えるようになったという、視覚に障害のある人たちに、少しでも外出の機会を増やしてもらいたい。
ある取り組みが、札幌で始まっています。

連載「じぶんごとニュース

札幌市東区にある居酒屋「ジャンボやき鳥 うえき」。

大きな焼き鳥がウリの、地元の人気店です。

その店内にあるのが…音声で、料理名や金額を読み上げてくれるメニュー表です。

点字付きで、二次元コードにスマートフォンをかざせば、何度でも聞くことができます。

2月に初めてこのメニュー表を導入したこちらのお店。

きっかけは、視覚に障害のある常連客でした。

植木之仁代表は、「いつも大変そうにメニュー見てたから、こういうのあったらいいかなと思って…」と話します。
常連客は、「こんなこと気にしてくれていると思わなかったからうれしいですよね、最近はタブレットばかりで使えなくて大変なんです」と話していました。

音声付きメニューを活用する常連客と、注文を受ける植木代表

植木代表は「うちの店に来てくれたお客さんが、少しでもストレスなく食事できるようにしていきたい」といいます。

音声付きの点字メニューを開発したのは、札幌市西区のボランティア団体「一般社団法人 いっぽん」です。

機械ではなく、専門の職員が実際に話して収録します。

なぜ、メニューに音声を加えようとしたのか。
佐久間信語代表は、「コロナになってから、極力触れないで情報を得る手段とは何なのか、考えた時に音声ガイドだと思って音声に着目した」と話します。

さらに、紙の点字メニューのままでは消毒ができないため、新たにラミネート加工も施しました。

飲食店ではメニューを店の人などに代読してもらうことが多い視覚障害者。
「店に出かけるたびに読みあげてもらうのは申し訳ない」という思いもあり、コロナ以降は、さらに外出を控える傾向もあったといいます。

佐久間代表は、「消毒もできるこの点字メニュー表があるから行ってみようという人が増えてほしい」と話していました。

コロナ前以上に、外に出かける人を増やしたい。
ボランティア団体では、札幌市内100店舗での導入を目指し、点字や音声付きのメニューの作成を続けています。

連載「じぶんごとニュース

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2023年4月5日)の情報に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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