2023.04.13
深める女性の活躍の場が広がる中、仕事として警察官を選ぶ女性も増えています。
北海道内の交番にも、地域の安全に貢献する女性警察官がいます。
札幌市東区にある元町(もとまち)交番です。
タクシーの車内に財布を落としたという、中国人留学生に対応するのは、酒井里緒(さかい・りお)巡査・20歳。
この春、2年目を迎えた、駆け出しの警察官です。
市民に丁寧に対応する酒井さんですが、誰にも負けない強みがあります。
それは…
「柔道」。
酒井巡査は、「10月の大会で、目標は1位です!優勝狙って練習していけたらと思います」と話します。
幼いころから柔道を習っていた酒井さんは、警察官の中でも、その実力は際立っています。上川地方の和寒町出身の酒井さんは、高校は、札幌市にある柔道の強豪校に進学し、技を磨いてきました。
警察官という仕事で柔道が生かせると知ったのは、小学生くらいの頃で、そこから憧れはあったといいます。
市民から入った迷惑駐車の通報。
胸に装着した無線が鳴れば、昼夜を問わず現場に向かいます。
交番の警察官は、朝8時から次の日の朝までおよそ24時間勤務。
交通事故や事件があれば食事や睡眠がとれないことも。
そんな過酷さから、男性のイメージが強い仕事ですが、北海道警は年々、女性警察官の採用を増やしています。
現在は、およそ1330人の女性警察官が北海道内各地の警察署や交番に配属されています。
道警本部採用センターの塩野谷卓実警部は、「性犯罪や配偶者からの暴力事件などの捜査や被害に遭われた方の支援。本当に幅広い、道警のあらゆるところで活躍している」と話します。
酒井さんが勤務する元町交番には、4人の女性警察官がいます。
現場では、女性だからこそ、市民に必要とされる場面もあるといいます。
酒井巡査は、「女性警察官が必要なときに女性同士で話して、話聞いてもらえて嬉しかった、ありがとう、話せてよかったって言ってもらえたことが一番うれしかったです」と話します。
日々、第一線で活動する酒井さんの支えになっているのは…。
10か月間、警察学校での生活を共にした、同期生8人です。
全員揃ったのは、配属後この日が初めて。
「本当にうれしい。困ったときに話し合えているのはすごいうれしい」と笑顔を見せます。
2月には、初めての後輩が入ってきました。
「どういう事案が入ったとしても、堂々と先攻で対応できる警察官になりたいと思います」と話す酒井巡査。
柔道で培った力強さと持ち前の穏やかさを武器に、市民の安全を守るため、きょうも現場に向かいます。
文:HBC報道部
編集:「Sitakke編集部IKU」
※掲載の内容は放送時(2023年3月29日)の情報に基づきます。
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