宇宙産業…夢のある分野に聞こえますが、実は、私たちの身近な暮らしにもつながっているんです。
今、北海道では、さまざまな企業や自治体が宇宙産業に乗り出しています。
HBCでは、特集WEBサイト「HBC宇宙チャンネル」をオープンし、【あらゆる世代が期待感を持って暮らせる地域づくり】を目指し、宇宙にまつわる北海道の情報を発信しています。
3月には、札幌の地下歩行空間で、「宇宙とSDGs」のパネル展を開きました。
その中からいくつかの「SDGs」な取り組みをご紹介します。
農作物の生育状況や、土の栄養状態を、人工衛星が撮影した畑の画像で把握することができるんです。
化学肥料を使いすぎないようにしたり、畑ごとに合った収穫時期を予測したり、品質向上に役立てたりすることができます。
GPSで無人トラクターや農業用ロボットをより正確に使えるようになれば、人の作業負担を軽くしたり、担い手不足を解消したりすることにもつながるかもしれません。
人工衛星を使った技術で、漁場として最適な場所を予測することもできます。
それをもとに移動すると、無駄を減らして漁船の燃料を節約することができます。
広い範囲で資源量を把握しておけば、漁獲量をコントロールして、将来にわたって「持続可能な漁業」を目指すこともできるのです。
海水の温度や、栄養分を把握して、稚魚の放流のタイミングに生かすなど、「とる漁業」から「つくる漁業」へのシフトにも活用することが期待されています。
雨が降る量や、台風の強さをより正確に予測するためにも、人工衛星がかかわってきます。
避難の呼びかけに生かして、命を守る役割も担うのです。
農作物の被害を防ぐことにも活用できるかもしれません。
災害が発生したときの被害状況も、人工衛星で早く把握することで、二次被害を防ぐことも期待されています。
「宇宙への玄関」を北海道に作ろうという取り組みも進んでいます。
十勝の大樹町に建設中の「北海道スペースポート」。
アジア初の民間に開かれた宇宙港で、国内外のさまざまな企業が利用できます。
「北海道スペースポート」を管理運営する「スペースコタン」の取締役兼CMO・中神美佳(なかがみ・みか)さんは、大樹町出身。
宇宙だけでなく、大樹町の将来にも希望を持っています。
「スペースポートを作るということは、マチをつくること」だというのです。
スペースポートを中心に、宇宙関係の企業や工場、研究施設が集まってくる。
雇用が生まれる。
地域の工務店や電気店、塗装店にも仕事がまわる。
人が増えると、住居や飲食店も必要になり、サービス業も潤う。
観光や教育の分野にも関わってくる…。
いろいろな産業に影響して、地域が活性化することが期待されます。
宇宙産業の効果もあってか、大樹町では、昨年末、23年ぶりの人口増加を記録しています。
中神さんは、パネル展でスペシャルトークにも登場し、なぜ大樹町が宇宙産業にふさわしいのかなどを教えてくれました。
くわしくは、次の記事でお伝えしています。
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