総距離・7282キロ。
ギネス世界記録を打ち立てたのは、砂川に住む青年でした。
「思いを伝えてほしいと、一歩踏み出してほしいと。そのために馬鹿になれ!というのはすごく伝えたい」
挑戦を繰り返す若者の姿を追いました。
永関博紀さん、32歳です。
永関さんが10月に打ち立てたのは「自転車でアメリカを縦横断するギネス記録」。
カナダの国境からメキシコの国境まで南下し、アメリカを縦断。
その後、西海岸のロサンゼルスから、東海岸のニューヨークへ横断。
総距離7282キロを、これまでの記録より9日早い、30日と16時間で走り切り、世界最速記録を打ち立てたのです。
9月18日、永関さんの挑戦がスタートしました。
記録達成のためには、一日240キロ、札幌から函館の最短距離を、30日間、毎日走り続けなければいけません。
永関さんは、「もうカリフォルニア州、アリゾナ州はもう基本的に砂漠の中を1本道が走っているみたいな、そういう気候の40度の中を1日15時間走ることもあれば、ゴール・ニューヨークは気温1℃だったので、後半はもうずっと寒さにブルブル震えながらダウンを着て走っていた」といいます。
永関さんが自転車に乗り始めたのは2017年。
「やりたいこと」が見つけられずに、大卒で入社したIT会社を退社し、フリーターに。
そしてたどり着いたのが「自転車」でした
「何かエンターテイメントやりたいなってなったときに、間寛平さんがアースマラソンやられているので、それ以外でなんだろう?自転車か」と思って始めたといいます。
ただ、一度やると決めたら、その後は「数と熱量」。
多くの企業に連絡をとり、自力でスポンサーを見つけ、まずは自転車による日本縦断を達成。
当時のギネス記録を更新しました。
さらに…
地元・空知を元気付けたいと、今年6月には、新十津川町で音楽フェス「SORAON」を主催!
「やりたいこと」を全力で!
そして迎えた今回のアメリカ縦横断でしたが、そこまでの道のりは順風満帆とはいきませんでした。
「やっぱり一番は事故の怖さ。前回追突事故を受けてるので」
実は永関さん、アメリカ縦横断の挑戦は3度目。
1度目はケガで、2度目はサポートカーが事故にあい、リタイアしていました。
永関さんは、「やっぱりやり残した挑戦なんですよね。僕からしたら、2回やってゴールにたどり着けてないので、これはやっぱりゴールせな、次の人生のステップアップはないなと思って」と振り返ります。
9月18日にカナダとの国境からスタートし、31日目、ついにその日がやってきました。
朝、カメラに向かって「この日を迎えられるとは思いませんでしたが、最終日を迎えました。ニューヨーク市庁舎でお会いしましょう!」と宣言。
サポートスタッフがゴールの市庁舎で待ち受けます。
まぶしいほど輝く自転車のライトが近づいてきました。
サポートスタッフ「来たよ!来たんじゃないですか」
永関さん「あ~、みなさんありがとうございました!やりました!」「7200キロ!ひろいねえ!アメリカは!!!」
挑戦と挫折を繰り返してきた永関さん。
3度目のアメリカ縦横断挑戦で、見事5年越しの夢を達成しました。
「あのときのやってみようという一歩を踏み出したからこそ、いろんな出会いや経験をさせてもらって、みんなのチャレンジを応援できるような、みんなの新たな一歩が生まれたら嬉しいなと思いますね。明日からこがなくていいんだ!温泉に入れる!」
文:HBC報道部
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2022年11月30日)の情報に基づきます。
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