2022.11.17
食べる恵庭の住宅街にあらわれたキッチンカー「imoimo」。あま~い香りが漂ってきました。
秋の味覚、焼いも。
人気のおいもは…『由栗(ゆっくり)いも』 。北海道・由仁町と栗山町のブランドのさつまいもです!
空知の由仁町(ゆにちょう)です。
川端祐平(かわばた・ゆうへい)さんの畑では、今月上旬から、およそ8トンのさつまいもの収穫をしています。
米や野菜を主に生産している川端さんは、6年前にさつまいもの栽培を始めました。
川端さんは、「由仁町・栗山町は、いろいろな作物は作っているんですけど、これという特産品がなかったんで、温度も年々上がってきているので、そういうところで北海道で作れるようになったのかなと感じる」と話します。
さつまいもはその名の通り、鹿児島県など温暖な地域で栽培されますが、温暖化の影響で、近年、道内でも作付けが増えてきました。
これをチャンスと捉えた川端さんは、由仁町と、となりの栗山町の若手農家ら26軒で「そらち南さつまいもクラブ」を結成。ブランド化に乗り出しました。
由仁町と栗山町、両町の頭文字と、ゆっくりイモを寝かせるという意味を込めて、『由栗いも』です。
収穫した「由栗いも」は、すぐに出荷せず、数日間寝かせます。
「キュアリング」と呼ばれる工程で、さつまいもが好む高温多湿の貯蔵庫で「ゆっくり」熟成させると甘みや、しっとり感、蜜も増して、おいしさがアップするといいます。
川端さんは、「北海道のさつまいもって寝かせている分、夜温が低い分、ちょっとしっとりめなんですよね。北海道のさつまいもイコール由栗いもと感じてもらえればと思う」と話します。
「由栗いも」は、道央圏のスーパーなどで販売されています。
道産さつまいもの将来性を、元拓殖大学北海道短大教授・大道雅之さんは、「今まで北海道のさつまいもは、個々の農家の方の努力で栽培してきたのですが、地域で産地作りに進んでもらえればより大きな産地になる可能性があると思います」と分析します。
「由栗いも」をブランドさつまいもに育てたい!
「日本一」の、あのお菓子もタッグを組みます!
栗山町の菓子メーカー、谷田製菓(たにだせいか)です。
道民にはおなじみ「きびだんご」一筋109年の老舗は、いま「由栗いも」のきびだんごを開発中です。
谷田製菓の谷田進太郎社長は、「農家の若い人たちが作り出したという話を聞いて、少しでも応援できることであればしたいなと思いまして」と話します。
もち米と砂糖などで作った餅に「由栗いも」のペーストを練り込むと、工場が焼き芋のような甘い香りに包まれます。
試作したのは道産食材100%「由栗いも」のきびだんご。
「由栗いも」の生産者たちにも、「思ったより柔らかい、さつまいもっぽくなってきた」「口に入れた瞬間、いもの風味が結構強くします、おいしいよね」と好評です。
そらち南さつまいもクラブ・川端祐平会長は「いろんな地域できびだんごが売られていますので、老舗の力を借りられてすごいありがたいです」と話します。
メーカーでは、さらに試作を重ね、来年1月の商品化を目指します。
谷田製菓・谷田進太郎社長は、「日本一のさつまいもを使った菓子という意気込みでやっていきたい」と話していました。
さつまいもがジャガイモと肩を並べ、北海道を代表する野菜になる日も、遠くはないかもしれません。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部IKU
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2022年10月18日)の情報に基づきます。
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