2026.07.24

暮らす

170キロ先、片道3時間の派遣で医師に負担…広すぎる北海道の医療を「リレー」でつなぐ

医師の『リレー式支援』とは

従来は旭川市から枝幸町に直接、医師を派遣していました。

『リレー式支援』では旭川医大から、旭川市と枝幸町の中間地点で地域の中核病院でもある名寄市立総合病院に、医師を派遣します。
そして、枝幸町へは名寄市の病院から医師を派遣する仕組みです。

こうすることで、診療を必要とするマチまで医師が日帰りで行くことが可能になり、交通費や宿泊費の削減にもつながります。

まずは消化器内科から始まったリレー式支援。
患者だけでなく、若手の医師にもメリットがあると藤谷教授は話します。

「名寄市立総合病院は多くの最新の医療機器がそろっている。指導体制も整っている。医師としてのキャリアを保ちながら地域に貢献できるメリットがある」

なぜ今までなかったのか

内科合同会議(3月) 提供 旭川医科大学

ではなぜ、これまでこうした仕組みがなかったのでしょうか?
その背景のひとつが「医局」の存在です。
牧野教授はその背景について説明します。

「古くから医師の派遣は所属する医局が差配していた。医局を構成する人数も少しずつ減ってきて、医師のライフスタイルが変わってきたこともあって、従来どおりの派遣が、どこの医局もうまくいかなくなってきた。別な派遣母体・派遣根拠を作ることが求められている」

旭川医大は、2025年3月、複数の内科や行政・近隣の医療機関による会議体を立ち上げました。
「医局の垣根」を越えた医師派遣の検討を進めています。

さらに、患者の住む地域から、専門医のいる病院までの通院時間をシミュレーションして、より効率の高い医師派遣を進めようとしています。

「本当の意味での医療ニーズを掘り起こしたいというのが、私どもの基本的な考えです」と牧野教授は強調します。

HBC報道部

毎日の取材で「気になるニュース」や「見過ごせない事案」を、記者が自分の目線で深掘り取材し、「ニュース特集」や「ドキュメンタリー」を作っています。また、今日ドキッ!の人気コーナー「もうひとホリ」「もんすけ調査隊」も制作しています。最近は放送にとどまらず、デジタル記事、ドキュメンタリー映画、書籍など、多くのメディアで展開して、できるだけたくさんの人に見てもらえるよう心掛けています。北海道で最初に誕生した民間放送の報道部です。

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