
佐野さんは、なよろ市立天文台「きたすばる」の前の台長でした。
2016年に退任してからは、天文台の研究アドバイザーを務めるかたわら、自宅で観測を続けています。
佐野さんの観測小屋は「手作り」です。
「僕はドラムを演奏するので、パーツを望遠鏡のヘッドに使う。自分で作るというよりも、お金がないから…」

4畳半にも満たない観測小屋を自分で作り、口径36センチの天体望遠鏡を設置したのは27年前のことでした。
当初は、近所の人にあやしまれたりパトカーが止まったりしましたが、次々と小惑星や超新星を発見すると、いつしか「星のおーじさん」として有名になりました。
ところが…。
「超新星の発見は、大型ロボット望遠鏡など『AI』にやられている。その中で発見するのは結構厳しい」

世界的な競争で、「超新星」も各国の研究機関がAIを駆使して広範囲を探索し、いち早く発見するケースが増えています。
佐野さんのような個人が、限られた観測機材で発見することは難しいのです。
さらには、17年前に脳梗塞で左半身に障害が残り、20年以上新発見から遠のいていました。
「僕は『1本釣り』。これを釣りたいと狙う。手塩にかけた望遠鏡を使って発見するほうが感動は大きい」
佐野さんは、AIに頼らず経験を頼りに望遠鏡を手動で操作。
りゅう座にある銀河に狙いを絞って観測しました。
すると4月22日、今までなかった白く輝く点を発見しました。
国際天文学連合に報告すると、未発見の「超新星」であることが確認され「2026kid」と命名されました。
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