2025.01.03
食べる北海道の“おいしい”がギュッと詰まった、驚くほど小さなミニチュアの世界へようこそ!
北海道出身のミニチュア作家・碧aoさんが、大好きな故郷の味と記憶を、指先ほどの小さな作品として紡ぎます。
現在は横浜在住の碧aoさん。「北海道の食文化が恋しい!」という思いをきっかけに、2年ほど前からミニチュアづくりをスタートしました。“リアルだけどかわいい”作品作りがモットーです。
→ 作家インタビュー:北海道の味をわずか“1センチ”で再現!全道民がグッとくる…ミニチュア作家・碧aoさんの故郷への思い
今回ご紹介する作品は、北海道の郷土料理のひとつであり、冬の定番でもある「ニシン漬け」です。
【作品解説】
冬になると、祖母と母と居間に新聞紙を敷き、ニシンを大きな樽に漬けた思い出があります。
黄色い漬物樽に漬けた直後のバージョンと食べごろのニシン漬けを保存袋に入れたバージョンの2種を制作してみました。
樽に入っているものは、漬けたばかりなのでキャベツや人参にはまだハリがありますが、保存袋に入っている野菜は水分が抜けてしんなりとしています。
ついつい細かい設定にこだわってしまいますが、これも昔からみていた光景が活きているのだと思います。どこかで見覚えのある保存袋もお手製です!
作品サイズ:約3㎝
製作期間:約2日
完成時期:令和6年10月頃
<工夫・苦労したポイント>
身欠きニシンの色を表現するのに苦労しました。
また、細かい骨が多い分、繊維も細かいので約0.5㎝ほどの切り身に沢山の加工をしています。
関連→【北海道の郷土料理】祖母の味を復活!15年の歳月をかけて完成した、留萌の絶品ニシン漬け
「ニシン漬け」は、北海道のニシン産業の歴史を伝える郷土料理です。
江戸時代後期から明治時代にかけて、北海道の(特に)日本海側ではニシン漁業が隆盛を極めていました。春になると、ニシンの大群が産卵のため沿岸に押し寄せ、海が真っ白に染まる「群来(くき)」がみられました。
当時は、寒い冬を越すための食糧を貯蔵することが重要であったため、その一つの保存方法として、漬物が用いられていました。
冬が訪れる前に干物に加工した身欠ニシンと、野菜を一緒に漬け込んだものが「ニシン漬け」として定着したといわれています。
ニシンの漁獲量は減少してしまいましたが、「ニシン漬け」は、現在も北海道の冬の家庭料理として根づいています。
■作家インタビュー:北海道の味をわずか“1センチ”で再現!全道民がグッとくる…ミニチュア作家・碧aoさんの故郷への思い