2024.05.13

暮らす

クマが住宅から30メートルの距離に…クマの出没を防ぐ!対策の効果とこれからを考える

効果は?

地域ごとの事情に合わせて、いろいろな立場の人が関わって広がっている、草刈り。

ここで紹介した7か所は、札幌市が協力して行ったものですが、ほかにもアウトドアレストランなどで自ら企画して行っている場所もあります。

では、実際に効果はあったのか?

札幌市によると、この7か所では、それぞれ草刈りを実施した後、2023年秋までにこの場所を通ったクマの出没は確認されていないということです。

⑦の石山地区では、2014年の草刈り開始以来10年にわたって、クマがこの場所を利用した痕跡が確認されていません。

ただ、草刈りをすることで、たしかに効果はありますが、その一か所だけで、広い範囲での出没すべてを防げるわけではありません。放棄果樹やごみ、シカの死がいなど、クマを引き寄せるものを放置しないなどの対策も、合わせて行うことが重要です。

また、川沿いのすべてを刈ってしまえばいいということではなく、石山地区では生物多様性や景観にも配慮して、草を刈る場所を決めています。

ことしからも、継続と、拡大を

草は毎年伸びてきます。
これらの地域のように、毎年恒例で対策を続けていくのが大切です。

また、おととしも去年も、南区以外で行われた草刈りが1件のみでした。
たしかにクマの出没は南区で例年多いですが、ほかの区でも、年々目撃が相次いでいます。
クマとの共存は、いまや、南区だけが向き合うべきテーマではありません。

札幌市内で、じぶんの住む地域でも草刈りをしてみたい…と感じた方は、札幌市環境共生担当課(011−211−2879)に連絡してほしいということです。
いつ・どこを草刈りしたらいいか、地域の説明はどうしたらいいかや、場所の使用許可、道具の貸し出しについて相談を受け付けています。

連載「クマさん、ここまでよ
暮らしを守る知恵のほか、かわいいクマグッズなど番外編も。連携するまとめサイト「クマここ」では、「クマに出会ったら?」「出会わないためには?」など、専門家監修の基本の知恵や、道内のクマのニュースなどをお伝えしています。

文:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は取材時(2023年9月20日)の情報に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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