2024.04.07
深める「塩辛」で伝統と革新を両立してきた小田島水産食品にとって、無視できないのが、近年のスルメイカの不漁です。
3代目の隆さんは、「塩辛の値段も高くせざるを得ない」と話します。
国産のスルメイカにこだわりたい気持ちを持ちつつも、「どうしても無理なら海外産を使うしかないかな…」と苦渋の表情です。
一方で、「イカに代わるもの」も探しています。
それはなんと「イワシ」。
隆さんは「マイワシを木樽で漬けてみたら面白いかな」と考えているのだとか。
油臭くなってしまうなど、商品化への課題は多いものの、
変化に対して自分たちで適応していこうとする姿勢は、非常に学ぶべきものだなと思われました。
さらに、アイデアはふくらみます。
実は今、北海道大学水産学部のサクラマス養殖の研究を、小田島水産食品の工場の空きスペースでやってみようという計画があります。
隆さんは、ただ養殖をするだけでなく「観光客にも見てもらったら喜ばれるのではないか」と考えているのだそうです。
函館市には水族館がありませんから、こうした小さな規模でも魚を見られるというのは面白そうです。
大きな課題があるときもまた、「新しさ」が求められるときなのだと感じました。