2024.03.30
深めるこんにちは、HBCアナウンサーの堀内美里です!
この連載では、山登り初心者でも楽しめる、お手軽✕絶景の山をご紹介しています。
今回は、特別版!登山家、渡邊直子さんのインタビュー記事をお届けします。
この記事は【後編】です。
→ 【前編】ヒマラヤ山脈で”焼きたてクロワッサン”!?8000m峰14座制覇に挑む登山家、渡邊直子さんにインタビュー
看護師 兼 登山家の渡邊直子さん。
世界に14座しかない、標高8000mを超える山のうち、13座の登頂を達成しました。
標高8000mを超える山は、酸素濃度は地上の1/3、「デスゾーン」とも呼ばれます。渡邊さんは、2024年4月から、全14座・最後の1座 ヒマラヤ山脈のシシャパンマ(8027メートル)へ出発予定。これに登頂すれば、日本人女性として初の記録になります。
以前は施設の夜勤業務を主に仕事していましたが、今は健診業務や予防接種業務を主にしています。その他、ヒマラヤ登山を企画したり、トークイベントを企画したり、講演会
に招かれたりしています。
2年位前は一日2.3時間しか寝ずに働く生活で…。ヒマラヤに行く前日まで働き、そのまま向かって、ヒマラヤで寝る!みたいな生活でした。
ある意味、私にとっては、8000m峰が休息の場ですね。早起きして朝焼けを眺める、なんてこともする人が居る中「12時まで起こさないで!」みたいな。(笑)
その為に、ほぼ休みなしで働いてお金を稼ぐ。そしてヒマラヤに行くのにうん百万使って、帰ってきたら、ゼロ円かマイナスみたいな。それを繰り返す感じ。
でも、そこまでしても行きたいんです。仕事をして、飲まないとやってられない!って人いるじゃないですか。私はそれと同じように8000m峰に行かないとやってられない。それがないと精神のバランスが保てない。生きていく意味がないと感じてしまいます。
自然は好きだけど、虫にはびっくりするし、ゴキブリは苦手(笑)地上ではオシャレなカフェに行きたいし、この後も行く予定です。
今はもったいないと思って家も引き払っちゃったけど、自分の好きな空間を作って、山とは切り離して生活していました。
あとは普段からトレーニングするの?ってよく聞かれるけど、全くしません。
食事制限もしないし、タクシーやエレベーターも駆使します。ヒマラヤって意外と、トレッキングでは平坦な道のルートが沢山あるんですよ。ずっと登っている訳じゃないし、休憩ポイントもたくさんあるし。皆が思っているほど、敷居は高くないと思います。
自分は、社会には不適合かな…少なくとも協調性が無いタイプだと思います。日本だと、誰かと一緒にいるのに疲れて、一人になりたいって思っちゃう。よくよく考えてから発言しなきゃいけなかったり、小さいことを気にしたりしないといけない、社会の雰囲気が苦手なのかもしれない。だから日本にいる自分は嫌いです。
でも、ネパールにいると逆になります。現地のスタッフたちとワイワイ話すのが楽しい、もっと話していたいと思うんです。ネパール人は考えがシンプルだし、どんな人でも受け入れて許す文化があって好きですね。
本格的な登山を始めたことで、性格は変わったと思います。昔の方が引っ込み思案で目立たない子どもでした。でも看護師と登山の経験で、強くなって意見を言えるようになりました。もっと可愛らしい方がモテるんでしょうけどね(笑)良くも悪くも変わったかな。
でも、まだまだ自分に自信がないです。自分に満足が出来ていない。だから素直な自分に戻るために、もっと自分を好きになれるように、ヒマラヤに行っているんだと思います。
■【前編】ヒマラヤ山脈で”焼きたてクロワッサン”!?8000m峰14座制覇に挑む登山家、渡邊直子さんにインタビュー