2024.03.20
出かける―今井さんはどんなきっかけで、コンシェルジュの仕事を?
実は私自身も、1年半前に湯治客として移住してきたんですよ。もともと私は広島県出身で、学生の頃はアトピーなどの皮膚疾患はなかったのですが…ある日、突然、皮膚疾患の症状が出たんです。いま思うと、引っ越し直後だったので、ホコリをたくさん吸ったり、ストレスが影響したりしていたのかもしれませんね。
原因不明で、なにをやっても治らない。とても症状が辛くって、まともに眠ることができないんです。本当に大変な日々でした。
そんなとき、通っていた皮膚科の先生が、ふと呟いたんです。
「北海道の豊富町に、湯治にいい温泉があるんだよね…」って。
心も身体もボロボロで、限界だったから、それに賭けてみることにしたんです。
ふらっと行ってみて、変わらなかったら帰ってくればいいや。とにかく行ってみようって。
そんなきっかけで、この町に来ました。湯治をしてみたら、少しずつ症状が軽くなっていったんですよ、自分でもびっくりしましたね。
この町は居心地がいいので、そのまま住んじゃおうと思って。都会と違って、自然も多いので、景色にも癒されるんですよ。
3か月くらいはゆっくり過ごしました。そうしているうちに、コンシェルジュ・デスクの募集がありました。
で、いま、ここにいるわけです。
湯治目的にこの町を訪れるお客さんは、当時の自分と同じように、色々と“ギリギリ”な状態でこの町を訪れる人が多いんですよ。
そもそも最初は湯治の仕方もわからないだろうし、湯治を続ける中で、思ったように症状が改善していかないと、やはり不安になる方も多いです。
そういった方たちへのサポートをさせていただくのが、私たち「コンシェルジュ」の役割です。
湯治入浴の仕方から、豊富町の観光スポット、宿の説明、求人情報まで…広くサポートしています。
ここは湯治客の憩いの場でも有ります。同じ悩みを持つ仲間同士、励まし合ったり、冗談を言い合ったりして、交流の場としても使って頂いていますね。イベントも企画しています。
豊富町での暮らしを通して、「あ…私、大丈夫になってきたかも?」と、表情が明るくなっていくお客さんの姿を見るのが、
私にとってはなによりのやりがいなんです。
もちろん、湯治客以外の方々も大歓迎ですよ!
観光目的の方も、まずはここに立ち寄って頂ければ、大体の情報はご提供できると思います。豊富町に来たら、ぜひお立ち寄りくださいね!
※注
湯治のながれや、湯治入浴の方法は、「豊富温泉 コンシェルジュ・デスク」の公式HPでご確認を!
ご自身の体験も踏まえ、真剣なまなざしかつ、気さくな雰囲気でお話をしてくれた今井さん。
聞き入ってしまい、ついつい長居してしまいました。
一通りお話を聞き終わり、席を立ちながら、こんな雑談も。
私「あ、そういえば、先週、蕁麻疹(じんましん)が出たんですよね~。小さい頃から、運動会の前日とかに蕁麻疹になるタイプだったんですけど」
今井さん「えっ?」
私「そういえば、最近は3か月に1回くらい、蕁麻疹(じんましん)が出てるかも…?元気はいっぱいなんですけどね!」
「…それね、自覚してないだけで、どこかできっとストレスと疲れがたまってるんですよ」
と、私の背後から現れたのは、コンシェルジュ・デスクの水谷康代(みずたに・みちよ)さん。
看護師資格をお持ちで、健康相談員をしているそうです。
水谷さん「皮膚疾患の症状が出る人は、“がんばりすぎ”な人が多いんですよ。疲れたなぁという自覚がないから、どこまでも“がんばれちゃう”んです。でも身体に症状が出ているということは、明らかにがんばりすぎなんですよ~」
今井さん「そういう人って、多いんです。特に女性は、引っ越し、結婚、出産、その他もろもろ…意外とストレスがかかっている場面って多いんですよ。自覚してないだけで。季節の変化がストレスになるってことも、充分にありえます」
水谷さん「『最近、ちょっとお疲れ気味かも…』という人にこそ、豊富町に遊びに来てほしい。たくさん食べて、たくさん寝て、自然に触れて…短期間でもいいんです。この町の暮らしを通して、生活を整えてみるのをおすすめします。ゆっくりしていって!」
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