2024.03.20

出かける

「心も身体も癒されて…」札幌から列車で約5時間かけて…“温泉が苦手”な私が、人生で初めて「日本最北端の温泉郷」に行ってみた【豊富町の“あずましい”日々②】

2024年、2月中旬。寒さの中にも、春の兆しを感じる日でした。
札幌から北へと走る、特急「宗谷」。雄大な天塩川を眺めながら、列車に揺られ、約5時間。

今回訪れたのは、“最北端の温泉郷”のまち・豊富町
なだらかな丘陵地に牧草地と森林が広がり、約3,500人の町民と、約12,000頭の牛が暮らす、小さなまちです。

この記事では、2泊3日の滞在で筆者が出会った、魅力的なヒト・モノについてレポートしていきたいと思います。

「最近ちょっとお疲れ気味かも…」というあなたに、ぜひ訪れみてほしい。この町には、なんとも”あずましい”、「湯と人との出会い」がたくさんありました。

あずましい:あずまし・い (北海道方言) 落ち着いて心地よい。

前回の記事【PART1】札幌から列車で約5時間かけて…“温泉が苦手”な私が、人生で初めて「日本最北端の温泉郷」に行ってみた

豊富駅前のようす

豊富温泉は、通称「油風呂」とも飛ばれ、世界には二つ、日本にはただ一つともいわれるほど希少な泉質です。その特異な泉質は、火傷や皮膚病に効能が高いとされ、アトピー等の皮膚病疾患に悩む湯治客が、全国から訪れています。

前回の記事では、町営の温泉入浴施設「ふれあいセンター」での温泉体験をレポートしました。

豊富温泉独特のツンと鼻を突く灯油のようなにおいと、油が浮いたお湯に一瞬怯んだものの…
ドボンッ!と入ってしまえば、まろやかなお湯に全身を包まれる感覚にすっかり魅了されました。

ちいさな山間にある温泉街も、人通りや建物が少ないようすに、最初はチョット寂しい印象を持ちました。でも、お湯から上がって、散策してみると…とっても清々しくて心地良いッ!

湯上りのポカポカした身体で、宿に向かいました。

今回のお宿「TojiStayアズマシーナ」

今回お世話になったお宿はこちら。

宿泊施設「Toji Stay アズマシーナ」。昨年4月にオープンした施設です。「ふれあいセンター」から徒歩3分、温泉街の中心部にあります。

室内の様子はこんな感じ。窓から見える裏山と、木目調の壁がマッチしていて解放感があります!湯治客も長期滞在しやすいようにと、宿泊料金は1泊2日 5,500円~とお手頃価格。1名分の料金で、1室最大2名までの宿泊ができるそうです。

お話をしてくれたひと~「TojiStayアズマシーナ」清掃スタッフのOさん・Aさん

「ようこそ!豊富町で、ゆっくりしていってくださいね!」と明るい笑顔で声をかけてくれたのは、清掃スタッフのOさんとAさん。

チェックインは”原則無人”で、スマホひとつで完結することができるのですが、この日は、私たちの取材のため、立ち会ってくださいました。

小樽出身のOさんと、京都出身のAさん。「豊富町のことが大好きになって移住してきた」というお二人。OさんとAさんからみた、豊富町の魅力と、それぞれの移住エピソードについてお話を聞いてみることにしました。(お顔出しは“照れ臭いのでNGで…”とのこと。笑顔がキュートなお二人でした!)

「もともとは私も湯治客だったんです」~Oさんから見た豊富町の魅力とは

Oさん
豊富町には、アトピーや乾癬などで悩む、湯治目的のお客さんが、全国からたくさんいらっしゃいます。ここ「TojiStayアズマシーナ」も、1週間~数か月の長期滞在先として利用いただくケースが多いんですよ。

室内にあるキッチン

長期滞在のお客さんにも心地よく過ごして頂けるよう、キッチンや電子レンジ、冷凍庫、シャワールームを各部屋にご用意しています。旅館のご飯やコンビニのお弁当もいいですが、長期滞在となると、お金もかかりますし、味に飽きてきがちですよね。そういった方にキッチンを利用してもらえるといいなと思っています。

実は私も、もともと湯治客としてこの町に来たんです。いまから、7~8年位前かな。新卒で上京してから、アトピーが悪化してしまって。地元の小樽に戻ってきたものの、症状は一向に良くならなくて、ずっと塞ぎこんでいました。あの頃は、人前に出るのも怖くって…身体的にも、精神的にも、動ける状態じゃありませんでした。

症状が悪化する中で、「ステロイド(薬)に頼り切った生活はもう嫌だ!」って思って。
いろんな湯治施設に行きましたが、最後の望みとして、選んだのが豊富温泉。小樽から一人で、5時間以上かけて、バスで来ました。

共有スペース

勇気を振り絞って、バスに乗り込んで…この町の温泉に入りました。その瞬間、心からホッとしたのを覚えています。塩素が入っている普通の温泉だと、皮膚が痛い感じがあったんですが、ここのお湯は全く痛みを感じなくて。

“受け入れてもらえた”という気がしました。「ああ、私、きっと、もう大丈夫かも」って気持ちになれたんです。そこから、この町に滞在して、毎日2回は湯治をしていました。少しずつ症状も軽くなっていくと同時に、心も軽くなっていくのを自分で感じました。

町営の入浴施設「ふれあいセンター」のお湯

今度は自分が、全国各地から訪れる湯治客のみなさんを、あたたかく迎え入れるような存在になれたらいいなって。そんな気力が湧いてきたんです。

それで、「ふれあいセンター」の「コンシェルジュ・デスク」で就職先について情報収集をしている中、「 札幌オーナーズ」という企業の社長さんに偶然出会ったんです。
そのとき、ちょうど社長さんが、湯治客や観光客の方向けに「アズマシーナ」をオープンするって話をしていて…「私もやりたいです!」って立候補しました。

それで、今に至ります。塞ぎこんでいた時からは考えられないくらい、積極的な行動でしょう?(笑)

1階には、「無人のアメニティBOX」も。歯ブラシやシャンプー、ボディソープなどのアメニティや、洗濯機洗剤を好きな時に使用することが可能。

皮膚の病気を患っている方は、当時の私と同じように「人目に触れるのが怖い」という方が多いんです。だから、この施設も、チェックインやチェックアウトは無人で完結できるような仕組みにしています。安心して、ゆっくりと過ごしていってもらえたらいいな。もちろん、観光目的の方も、大歓迎です!

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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